Path: news1.wakwak.com!nf1.xephion.ne.jp!onion.ish.org!news.yamada.gr.jp!newsfeed.media.kyoto-u.ac.jp!Q.T.Honey!ngate01.so-net.ne.jp!news-post.so-net.ne.jp!not-for-mail From: Keita Ishizaki Newsgroups: fj.rec.animation Subject: Re: Angelic Layer #26(the last episode) Date: Sun, 24 Mar 2002 09:21:56 +0900 Organization: So-net Lines: 504 Message-ID: References: NNTP-Posting-Host: pdf4a6e.kngwnt01.ap.so-net.ne.jp Mime-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp In-Reply-To: X-Newsreader: Datula version 1.20.09 for Windows Xref: Sakura.CardCaptors fj.rec.animation:5624 石崎です。 >>本スレッドは「機動天使エンジェリックレイヤー(以下、AL)」の設定 >>を元に、「AL」「カードキャプター(以下、CC)さくら」、そして筆 >>者の好みで「セーラームーン」のキャラクターで繰り広げる庶民派ちょっ >>ぴりSFラブコメ(多分)を、リレー妄想の形式でお送りしています。 >>#口上もついに一本化です >>そういうのがお好きな方だけ、お付き合いください。  フォロー記事と本編記事を分割して投稿しております。  こちらは妄想本編記事です。  フォロー記事は、  からどうぞ。  機動天使エンジェリックレイヤー2ndの過去記事については、水野夢絵さん のネットニュースアニメ作品別アーカイブ、CCSFの中に記事一覧付でありますの で、そちらを参照して下さい。 CCSF http://ccsf.homeunix.org/ 機動天使エンジェリックレイヤー2ndスレッド記事一覧 http://ccsf.homeunix.org/ccs/ccsF-list12.html#AngelicLayer2nd セラムンショート劇場 第10話 ☆★『やって来た とっても小さなエンジェル』☆★ ●横浜市 神奈川県大会会場 控え室 「サトゥルヌス、WIN!」  サトゥルヌスが勝利すると、モニターで試合を注視していたデウス達はざわめ きました。  サトゥルヌスが勝利する様子が、再度スローで再生されると、小さく驚きの声 が上がります。  しかし、全てのデウスがこれを驚きの目で見ていた訳ではありませんでした。 「これは…」 「マジックガード、だな」 「厄介なのが出場していますわね」 「同感だ。…だが、対処出来ない訳じゃない」 「そろそろ時間ですわ」 「行こう。次は我々の出番だ」  そう言うと、最と楓は立ち上がり、試合場へと向かうのでした。 ●同所 観客席 「やったわ! ほたるが勝ったわ!」 「僕がみっちり仕込んだんだ。これ位は当然さ」 「最後の方は負けてばかりだった癖に」  ほたるが勝利すると、観客席で応援していたはるかとみちるは大はしゃぎ。  もっとも、これは各地の大会で良く見られる光景であったので、特に周囲の観 客が奇異の目で見るということはありませんでした。 「しかし拙いですね」 「何がよ」 「初戦から奥の手を出してしまうとは」 「問題あるの?」 「この大会には、全国大会レベルの選手が何人か居るのです。あの技があると知 られてしまった以上、対策を施してくるのは必定」 「大丈夫よ、その時はその時」 「僕達のほたるが負ける訳は無いさ」  せつなの心配を余所に、はるかとみちるは親馬鹿振りを発揮しているのでした。  そんな二人の様子を見て、苛つくせつな。  そんな彼女の肩を誰かが叩きます。  振り返るせつなは、その人物の顔を見て驚きに包まれるのでした。 ●第二回戦前 控え室  第一回戦に見事勝利したほたる。  直ぐにでもはるか達に報告に行きたいところでしたが、二回戦の時間が迫って いたので、それは諦めました。  第一回戦のシャルギエルとの対戦でダメージを受けていたので、エンジェルの 調整の時間が必要だったからです。  調整用のノートパソコンを使って、てきぱきとチェックを行うほたる。  特に異常は無いことを知ってほっとするのでした。  試合数が多い県大会レベルでは、外側を見て、後は触診を行い特に異常が無け ればここまで詳細にチェックするデウスは稀なのですが(待機時間が少ないの で)、内部に思わぬダメージがあることもあるので、必ずチェックするようにと せつなに教えられていたのをほたるはきちんと守っていたのです。  もっとも、せつなの教えは市販のマニュアル本に書いてあったことそのままで、 現場では「そこまでやる必要は無い」と思われている教えではあったのですが。  そのせいで、気が付くと第二回戦の時間が迫ってきていて、ほたるは相手の名 前すらも知らずに試合場に出て行くことになるのでした。 ●第二回戦 「ちびうさちゃん…」  第二回戦の相手を会場内で初めて知ったほたるの目は、驚きで包まれていまし た。  まさか、こんな場所で出会えるとは思っていなかったからです。  直ぐにでも彼女の側に駆け寄って、彼女を抱きしめたい。  しかし、試合直前のこの状況では、それは叶いませんでした。 「やっほー、ほたるちゃーん!」  ほたるの想いを知ってか知らずか、向こう側ではちびうさがほたるに向かって ぶんぶんと手を振っているのでした。 * 「イースト・コーナー、先程は見事な逆転勝利を決めた土萠ほたる! そしてウ ェスト・コーナーは、今大会が初出場の月野うさぎであります。小学生同士の対 決は、どちらが勝利するのでありましょうか!? さぁ、エントリー・エンジェル だ!」 「破壊せよ! そしてその後に新たな時代を築け! サトゥルヌス!」  サトゥルヌスは、レイヤーの中に入るとムーンサルトを決めて着地すると、観 客席からやんやの大歓声が起きます。 「時空を越え、我を導きたまえ! ハデス!」  ちびうさがエンジェルを投入すると、驚きの声が上がります。  と言うのも、理由がありました。 「ち…小さい! これまで登場したエンジェルの中でも、破格の小ささだ〜!  確かにこれは市販されている素体より作られたエンジェルではありますが、この サイズで県大会戦以上で出場したのは、これが初めてでは無いでしょうか!?」  ちびうさのエンジェル「ハデス」は、その恐ろしげな名前とは裏腹に、ほたる のエンジェル「サトゥルヌス」の身長の半分程度の大きさ。  アナの言う通りに市販されている素体の中で、最小の物を成長させたものです が、バトルよりは家庭で子供が遊ぶためのエンジェルなので、町内会レベルの大 会にしか出て来ないという代物なのでした。 * 「困りました」 「どうしたの?」 「ほたるとスモールレディ。私はどちらを応援すれば良いのでしょうか?」 「どちらも応援すれば良いんじゃないか?」 「それはそうなのですが…」 * 「エンジェリック・ファイト!」  アナが叫ぶと同時に、ハデスは一直線にサトゥルヌスに向かって駆けて来まし た。 「(速い!)」  反応しようとするほたるですが、ハデスのスピードはほたるの予想を遙かに上 回っていたのです。 「ルナPアタック!(意味無し)」  一撃だけを加えると、ハデスはサトゥルヌスの攻撃半径から直ちに離脱します。  反撃しようとすると、ハデスは後退。  ハデスの方が移動速度が明らかに速いので、サトゥルヌスは攻撃を加えること が出来ません。  サトゥルヌスが動きを止めると、ハデスはサトゥルヌスの攻撃半径ぎりぎりま で前進、サトゥルヌスに向かって、おいでおいでをしています。  流石にむっとしたほたるは、怒りに任せてサトゥルヌスを突進させます。  しかし、あまりにも攻撃が直線的過ぎました。  簡単にハデスは攻撃をかわすと、背中から一撃を加えました。  サトゥルヌスが振り返ると、ハデスは再び攻撃半径の外に離脱しているのです。  こうして一撃離脱を繰り返すハデスですが、サトゥルヌスが受けたダメージは 実は極々僅か。  お子様向けの超軽量エンジェルであるハデスは、攻撃力は殆ど無いのでした。 * 「まずいな…」 「どうしたの?」 「このままじゃ、判定でほたるが負けてしまう」 *  もちろんそのことに、ほたるは気付いていました。  戦いの最中で、段々と冷静さを取り戻したほたる。  とは言え、ハデスを捉えないことには、どうにも戦いようがありません。  何とかハデスがこちらに攻撃を仕掛ける隙に、反撃をしようとするのですが、 そのタイミングがなかなか掴めないのでした。  そうこうしている内に、時間が迫ってきていました。 「(何時攻撃をかけて来るか、判れば…)」  それまでレイヤーを見ていたほたるは、ふと顔を上げて、ちびうさの方を見ま した。  ちびうさはレイヤーの方をじっと見つめていて、ほたるが自分を見ていること に気が付いていない様子でした。 「(凄い集中力。だけど)」  何度目かのサトゥルヌスの反撃が空振りに終わった後、再び距離を置いて対峙 するエンジェル。  このまま逃げ回っていれば、ハデスの勝ちは揺るがなかったでしょう。  しかしそれをしなかったのは、流石に未来のクイーンの後継者としての誇りが あるからでしょうか。  再び、ハデスはサトゥルヌスに向かって攻撃をかけて来ました。  しかし、その攻撃をほたるは見切っていました。 「今!」  ハデスの伸ばした腕をサトゥルヌスが掴んでいました。  サトゥルヌスはその機会を逃さず、ハデスを背負い投げて床面に叩き付けまし た。  すると、ハデスのダメージ・ポイントが一気に累積して行き…。 「…サトゥルヌス、WIN! 鮮やかな一本勝ちであります!」 ●会場ロビー 「ちびうさちゃん。こっちに来ていたのなら、お便り位くれても良かったのに」 「えへへ。ほたるちゃんを驚かせようと思って」  試合が終わった後で、ロビーで再会を喜ぶほたるとちびうさ。 「もう…。でも、ちびうさちゃんもエンジェリック・レイヤーやってたんだ」 「うん。この前二十世紀…あ、二十一世紀に行った時に、うさぎに教えて貰った の。それで、三十世紀に持って帰ったんだけど、未来の地球だと誰も本気で相手 してくれなくて」 「でも、ちびうさちゃん、強いよ」 「えへへ…。ちょっとね」  舌を出すちびうさ。  ほたるは知らない事なのですが、銀水晶の力を傍で浴び続けていたため、普通 の人間よりも成長速度が遅いちびうさは、外見上の変化より多くの時を過ごして いました。  その上、時空の鍵を持つちびうさは、出現する時代すらも自由に選べます。  それ故、この前二十一世紀に遊びに来てから、今回再び遊びに来るまでに、ち びうさの世界では一年間が経過していました。  その為にちびうさは、ほたるに比べて遙かに多くの練習をしていて、エンジェ ルもそれ相応にレベルが上がっていたという訳なのでした。  しかしその事を、ちびうさはほたるに話すことは出来ませんでした。  言ってしまうと、自分の秘密がほたるにばれてしまうからです。  このまま二十一世紀で、ほたると共に暮らしたい。  でも、成長速度が異なる以上、それは叶わない夢なのでした。 「それより、ほたるちゃんも凄いよ。ハデスの攻撃を見切るなんて」 「ああ、それはね…」  ほたるは、ちびうさに耳打ちしました。  それをふんふんと頷きながら聞いていたちびうさ。 「そうなんだ。誰も教えてくれないから気付かなかった」 「今度から気をつけてね」 「うん!」  微笑み合う二人は、やがて手を繋いで観客席へと歩いて行きました。  せつな達に今の戦いのことを報告するために。 【終わり】  …と言うことで、ちびうさちゃんを出してみました。  ほたる×ちびうさというのもせらむんでは良くあるカップリングですよね。 #神奈川県大会の方の駒が若干不足気味だったもので。  あ…今気付いた。トーナメント戦だとちびうさをもう出せない…(笑)。  神奈川県大会は勝率順ということで。 ★機動天使エンジェリックレイヤー2nd  第16話「さくらと小さな美少女剣士」 ●第三回戦前 控え室  小狼のことで、心が乱れていたさくら。  それでも、第三回戦の相手が誰なのかはきちんとチェックしたのは流石です。 「対戦相手は…秋山ミハルさんって言うんだ」  もちろん、その名前には心当たりが無いさくらでしたが、2戦して2勝してい るのだから、それなりに強い相手なのだとは認識しました。 「この中に、居るのかな?」  集合時間よりも少し早く来たので、まだ来ていないかなと思いつつ、周囲を見 回したさくらは、自分より少し年下な位の少女を見つけました。  控え室に居るデウス達は、モニターを見つめていたり、知り合い同士でお喋り していたりとそれぞれに過ごしていましたが、その少女はエンジェルを膝に置き、 目を瞑ってじっと座っていました。  白い清楚な感じの洋服に身を包んだ少女は、何故か横に木刀を置いているのが 目に留まりました。 「(剣道でも、やっているのかな?)」  年齢を問わないレイヤー界とはいえ、実際に大会に出場して来るデウスは、中 高生以上が多いので、少し寂しい思いをしていたさくら。  自分と同世代の少女を見つけて嬉しくなり、悪いとは思ったのですが、思わず 側に寄っておずおずと声をかけました。 「あ、あの…」  さくらがおずおずと声をかけると、それまでじっと目を瞑り座っていた少女が 目を開き、さくらの方を見ました。  近くで良く見ると、凛とした表情が何とも美しく、男性よりは同性に人気が出 そうな顔立ちで、さくらもちょっとドキリとしました。 「何用か」  声の方も、表情に負けずに凛とした声なのでした。 「貴方も出場するんですか?」 「出場するからここに居る」  恐らくは少女の方が年下なのに、気圧されてしまったさくら。 「あの…お名前は…」 「人に名を聞く時は自分から名乗るものだ」 「ご、ご免なさい。私、木之本さくらって言います。大会は今回が初めてで…」  さくらが自己紹介をすると、少女の表情が僅かに変化しました。 「ほう。お主が…」 「え?」 「失礼した。私は秋山ミハル。お主の次の対戦相手だ」 「あ、あなたが…。宜しくお願いします!」 「こちらこそ宜しくな」  握手した後で一礼し、さくらは自分の席へと戻って行きました。  そのまま雑談していても良かったのですが、何だか精神統一の邪魔をしている ような気がしたからです。  そのまま椅子に座り、ミハルの真似をして目を瞑り、精神を集中するさくらは、 必死の思いで、小狼のことを頭の片隅に追いやろうとしていました。 「(今は、試合に集中しないと…。心を乱したままじゃ、あの子に失礼だよ)」  そんなさくらの様子を見て、ミハルは感心したような表情を見せていました。 ●第三回戦 「さぁ、エントリー・エンジェル!」 「星の力を秘めし鍵よ、真の姿を我の前に示せ。契約のもと、さくらが命じる。 封印解除!」  不思議なことに、試合場に出てレイヤーデッキを前にすると、緊張感からか小 狼のことでの迷いは頭の中から消え去りました。 「我剣豪なり。勝負受けて立つ。ムサシ!」  ミハルのエンジェル・ムサシは、見たところバランス重視型のエンジェルのよ うでした。 「エンジェリック・ファイト!」  バトルが開始された後、ムサシはその場から一歩も動こうとはしませんでした。  こんな相手は初めてだったので、さくらは戸惑います。 * 「どーしたー! 動かないならこっちから行っちゃえ!」 「ここから叫んでも、彼女には届かないよ」 「でも、動かなかったら勝てないじゃない」  観客席では、珠代と虎太郎がさくら達の試合を見ながら話し合っていました。 * 「どうした。動かないのか」 「(動けないよ…。隙が全然無い)」  ムサシは一見ただ悠然と立っているようには見えましたが、攻撃をかけたら直 ちに強烈な反撃を受けそうな雰囲気を漂わせていました。  命がけという程の戦いはしていないとはいえ、カード捕獲の経験が、さくらに 相手の実力の程を正しく判断させていたのです。 「では、こちらから行くぞ」 「!」 「ちぇすとーーーー!」  会場内に響き渡るほどの大音声で、ミハルは叫びました。  その声に気圧され、固まってしまう「桜」。 「キャア!」  自分が殴られた訳でもないのに、さくらは悲鳴を上げていました。  ムサシの一撃で、レイヤー端まで吹き飛ばされていた桜。  何とかギリギリで、踏みとどまりました。 「危ない、危ない」 * 「あのかけ声は示現流か。攻防一体の一撃必殺の剣術だ」 「エンジェルの名前と釣り合ってないじゃん」 「秋山ミハル。聞いたことがある。剣の世界ではちょっとした有名人だよ。確か 天下一刀流の後継者だ」 「それがどうしてレイヤーの世界に?」 *  一撃でライフゲージが半分も削られてしまった「桜」。  再び、ムサシと対峙しますが、矢張りエンジェルを動かすことが出来ませんで した。  しかし、今度は恐れが故では無かったのです。 「(今動いたら、やられちゃう)」  今度は桜にファイティングポーズをさせつつ、ムサシが突進して来たら、何時 でも対処出来る構えです。 「(ほう…。意外にやるな)」  「桜」の構えを見て、先程の手は二度とは使えないと感じたミハルも、動きを 止めました。 * 「恐らく勝負は次の一撃で決まる」 「あのままだとさくらちゃん、負けちゃうじゃない」 「いや、それは無いな」 * 「いやーーーーーーーっっっっっっ!!!!!」  再び大音声と共に、ミハルは「ムサシ」を突進させました。 「たーーーーーーーっっっっっ!!!!!」  負けじと「桜」を前進させるさくら。  このまま交錯するかと思った一瞬、「桜」の姿がミハルの視界から消えました。 「上か!」  すぐに「桜」がジャンプした事を悟ったミハルは、間髪入れずに迎撃しようと しました。 * 「愚か者めが。まだまだ未熟だな。帰ったら又修行のやり直しだ」  会場内の通路で、この光景を見ていたボディコンシャスな服を着た女性は、こ う呟くと結果を見ることも無く、出口へと向かうのでした。 * 「桜、WIN!」  上空からドロップキックをかけて来る「桜」をまともにパンチで迎撃しようと した「ムサシ」。  しかし、剣同士の戦いであれば受け止められる筈の攻撃も、手と足の勝負では、 高低の差を無視しても破壊力もリーチも違いすぎました。  回避は可能でしたし、すべきでした。  結果、「桜」のドロップキックをまともに喰らってしまった「ムサシ」は、立 ち上がる間も無く「桜」の攻撃を受け続け、そのまま敗北するのでした。  しかし、敗者である筈のミハルの表情は、意外にも穏やかな表情でした。 ●会場ロビー  第三回戦を終えて、ロビーまで出て来たさくら。  後から、ミハルが出て来たのに気付きます。  立ち止まったさくらは、声をかけようかどうか、悩みます。  しかし、別の少女が駆け寄って来て、ミハルに声をかけるのが先でした。  お団子頭で地面まで届きそうな両お下げのその少女は、気安くミハルに話しか けます。  それまでのミハルの態度から見ると驚いたことに、ミハルも笑顔で答えていま す。  お団子頭の少女が、こちらの方を指さすと、ミハルもこちらに気付きます。  さくらがミハルに礼をすると、ミハルも礼を返します。  近寄って話そうか。  さくらがそう思っていると、ミハルの側に派手な格好をした女性が近づくと、 いきなり頭を拳で軽く叩きました。  続いて始まるお説教。  それを止めようとするお団子頭の少女。  それを更に止めようとするミハル。  ちょっとした騒動になってしまい、人垣が出来てしまいました。 「(母さんかな。良いなぁ)」  ミハルの様子を見て、そう思うさくら。 「さくらちゃーん」  向こうから、知世達が自分を呼ぶ声が聞こえました。  そちらを向き、手を振ろうとするさくら。  しかし、自分を迎えてくれる人達の中に小狼が含まれていないことに気付いた さくらは、その笑顔を曇らせるのでした。 (第16話 完)  今回はあんまり、「愛の劇場」じゃ無かったですね。  ゲストキャラはマイナー過ぎて、元ネタを覚えている人が居ないかもしれませ ん(笑)。  では、また。 -- Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp