後藤です

では、
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の続きとして、本編にいきます。

> 本スレッドは「機動天使エンジェリックレイヤー(以下、AL)」の設定
> を元に、「AL」「カードキャプター(以下、CC)さくら」、そして筆
> 者の好みで「セーラームーン」のキャラクターで繰り広げる庶民派ちょっ
> ぴりSFラブコメ(多分)を、リレー妄想の形式でお送りしています。
> そういうのがお好きな方だけ、お付き合いください。

という口上の割にはラブコメになってません、ごめんなさい。

★☆せらむんショート劇場「亜美ちゃんの活躍」☆★

……にしようと思ったんですが、お約束どおり残りの3人の1回戦を描写
していきますので、残念ながら亜美ちゃんの出番が少なくなってしまいま
した。したがって、こうします。

★☆せらむんショート劇場「禁じられた言葉」☆★

☆まこちゃんの一回戦
まこと「よーし、次はあたしかー」ぱきぽき
亜美 「まこちゃん、頑張ってね」
まこと「任せといてよ」

自ら体を動かす方が好きなまこちゃんでしたが、やってみるとなかなかど
うして、はまっていたのでした。そんなまこちゃんの初戦の対戦相手は、
デウス、エンジェルともごっつい相手でした。山田知子のバスケス。
#みさきちの対戦相手でしたね。みさきちが守りに入って鳩子ちゃんをが
#っかりさせた試合の相手。

山田 「抵抗は無意味だ!蹂躙せよ、バスケス!」
まこと「ふん、燃えてくるねえ」

相手はパワー重視型ではありますが、格闘センス抜群のまこちゃんが操る、
しかもすべてのパラメータを程よく調整したバランス重視型のイオ。いい
試合が期待できます。

司会者「エンジェリック・ファイト!」
まこと「初戦だ、どうせ胸を借りるつもりだから、こっちから仕掛けよう
    か……」

試合開始と同時にイオはバスケスの後ろを取り、重いはずのバスケスを抱
え込むといきなり、イオの投げ技が決まりました。

ずどん!!

司会者「決まったー!豪快な投げ技です!」
山田 「く……くそー……」
まこと「思ったとおり……ある程度の動きにはついてこれるようだけど、
    基本的にはスキだらけだ……」

これで相手が大体把握できたまこちゃんです。
合気道の円運動を基本としたイオの滑らかな動き。その後もスキがあれば
投げ技を繰り出しました。鈍重なバスケスは、イオの軽快な動きを捉える
ことができず、ダメージが増す一方。こうなると、鈍重な相手にでもイオ
の蹴りやパンチ攻撃は効果的に決まります。
わずか3分もしないうちにポイント的には圧倒的に有利になったイオです
が、まこちゃんがこんなことで満足するわけがありません。

まこと「あたしも、ポイント優勢勝ちってのは好きじゃないんでね……」

フィニッシュの技を何にするか即座に決め、バスケスに仕掛けました。

まこと「せーーーーの!!」

 ずどん!!

司会者「決まったーーー!!豪快なプロレス技、パイル・ドライバーです!
    重量型のバスケスを難なく抱え込み、きれいに決めました」

勝負は決しました。

司会者「イオ、WIN!」

うさぎ「まこちゃん、かっこいー!」
レイ 「まこちゃんにかかればちょろいもんね」

まこちゃんの勝利は、思わぬ親衛隊の誕生に至りました。

女子A「ねえ、あの木野さんって……」
女子B「ステキ。かっこいいわ」
女子C「最様とは違った魅力のお姉様って感じ」
ABC「あーーん……」

女の子にモテモテになってしまいました。

衛  「おやおや、女の子の声援がすごいな」
レイ 「この一勝はインパクトを与えたわね」
うさぎ「確かにかっこよかったよねー」
美奈子「あ、あたしだって、その気になれば」
ガキA「おばちゃん」
美奈子「…………な」
ガキB[おばちゃんってば」
美奈子「…………な、な、な」わなわなわな
ガキC「サインくれよ、おばちゃん」
美奈子「…………ごめんね、今そんな気分じゃないの」
ガキA「ちぇっ、書き惜しみしてやんの」
ガキB「トシだから手が震えるんだぜ」
ガキC「帰ろ帰ろ」

美奈子ちゃんはぶちきれそうになりましたが、レイちゃんとうさぎちゃん
に取り押さえられました。

レイ 「美奈子ちゃん、落ち着いて……」
うさぎ「そうだよ、あの子たち、ゲーセン仲間でしょ?気にしない気にし
    ない」
美奈子「がるるるるるるる……
    きーーーっ、くやしーーーー!!!」

☆レイちゃんの一回戦
次はレイちゃん。

レイ 「さあ、あたしも亜美ちゃんやまこちゃんみたいにスマートな勝ち
    方してくるわ」
美奈子「……悪かったわね、鈍臭くて」
うさぎ「まあまあ、勝ったんだから」
ガキA「あっちのおねーちゃんはおじょーさまだからなあ」
ガキB「それに引き換え……」
ガキC「ふっ……」
美奈子「きさまらーーーーっ!!!」
うさぎ「美奈子ちゃんってばあ……」
亜美 「な、なんか、周囲の緊張感がどんどん損なわれていくわ……」

レイちゃんは、以前雑誌でも取り上げられたこともあるので、ミステリア
ス美少女ということで密かに人気を集めていました。この時点では「密か」
でしたが、司会者に紹介されると、雰囲気は増幅されました。

司会者「続きまして、イーストコーナー・アレース、デウスは、長い黒髪
    がよく似合う霊感少女、火野レイ!」
レイ 「あらー、そんな……『レイちゃん』って、呼んでください……」

そこはかとなく漂う「お嬢様」感。これをみすみす見逃す無粋な男はいま
せん。たちまち観客の注目を集めます。

うさぎ「何それ」
美奈子「レイちゃんの独壇場だわ」
うさぎ「なんでよ!?なんでレイちゃんだけ」
美奈子「あたしんときなんか、あんなクソガキだけよ。何、この扱いは!?」


う&美「許せないーーーーー!!」


衛  「2人とも……試合中なんだから……」

ところが、うさぎちゃんと美奈子ちゃんが怒っている間に、試合が呆気な
く終わってしまいました。相手に歯ごたえがなかったのでしょうか、あっ
という間にレイちゃんのアレースの蹴りが決まって、即レイヤーアウト。

 ぱたっ

司会者「……ア、アレース、WIN!」
亜美 「すごいわ、レイちゃん!一瞬だったわ」
う&美「え?お、終わっちゃったの?」
亜美 「見てなかったの?」

……

司会者「見事です、アレース。初参加とは思えない華麗な試合運び、とい
    いますか、一瞬にして相手をレイヤーアウトにしてしまいました」
レイ 「…………なんか、あっけなかったわね。喜んでいいのかしら」

といいつつも、観客の声援に

レイ 「みんなー、どうもありがとー!」

ちゃーんと媚び媚び答えていました。

う&美「けっ……」

#対戦相手の描写はとりあえず省略しました。

☆うさぎちゃんの一回戦
うさぎ「さーさー。いよいよあたしかー」
衛  「大丈夫か、うさこ?」
うさぎ「だいじょぶ、だいじょぶ。んじゃいってくるねー」
亜美 「何か、軽いわ……」

……

さて、うさぎちゃんの対戦相手ですが……
#こんな奴を用意しました。

海野 「お久しぶりです、うさぎさん」
うさぎ「海野……生きてたの」
海野 「はい。なるちゃんと来ました」

うさぎちゃんにとっては疲れる相手です、海野ぐりお。その昔はうさぎち
ゃんのことを好きだったという過去もありましたが、今は大阪なるちゃん
とラブラブな日々を送りながらも、今、一緒の高校に通っているはずでし
ょうが、消息が不明になっていました。オタク的興味でALにのめり込ん
でいることは想像に難くありません。この日もなるちゃんとともに出場し
ていたのですが、なるちゃんはどうなったのでしょうか?
#こうやって、なるちゃんの試合をぼかしておきます。

海野 「勝負です、うさぎさん」
うさぎ「何かあんたじゃねえ……役不足だよ」
海野 「うさぎさん、学習の足りない人ですね、相変わらず。『役不足』
    というのは役の方が不足しているという意味で、この場合、貴女
    が僕の相手としては『力不足』です。相手にならないということ
    ですよ」
うさぎ「にゃにーーーーーーっ!?」

うさぎちゃんはすっかり海野の作戦にはまってしまいます。頭に血が上っ
たうさぎちゃんは、あれほどあの口上だけはやめろと衛に注意されていた
のに、あの言葉を。しかも、かなり怒気を孕んでいました。

うさぎ「愛と正義のセーラー服美少女戦士・セレニティがーーーーーーー、
    月に代わってーーーーーーーー、お仕置きよっ!!」
司会者「おお、これはその昔流行したアニメの名台詞のようです!どうや
    らポーズもそのままなのでしょう」
#「ポーズ付き」であることに注目してください(笑)

当然、観客からはやんややんやの喝采。衛は頭を抱えてしまいました。

衛  「…………」
亜美 「……うさぎちゃんったら」
美奈子「あたしもあのノリでいけばよかったなー」
まこと「全員同じことやったらまずいって」

司会者「エンジェリック・ファイト!」

海野 「ふふふ……うさぎさん、かっかしてるとドツボですよ」
うさぎ「な、何ぃ!?」

試合運びは海野の言葉通りとなりました。海野のエンジェル・ルシファー
─何故この名前を選んだのかは不明ですが─は普通に攻撃しているのです
が、うさぎちゃんのセレニティが焦ってルシファーの攻撃をかわしきれず、
セレニティは徐々にダメージを受けていきました。

うさぎ「くっそー、こんなやつに……」

冷静さを失っているうさぎちゃんですが、そこは戦士として場数を(一応
は)こなしている身です。やられてばかりではありません。次第に落ち着
きをやっと取り戻し、余裕も出てきました。

海野 「さあ、とどめですよ」
うさぎ「あ、なるちゃん見っけ!」
海野 「え?どこどこ?」
うさぎ「すきありーー!!」

 ぼかっ

海野 「……や、やりましたね、うさぎさん!」
うさぎ「あんた、そうとうなバカねー」
海野 「どうやら僕を本気にさせてしまったようですね……初戦で使うべ
    き戦法ではなかったのですが……」

一体どこで覚えてきたのか、当の本人からは想像もつかない激しい攻撃を
繰り出してきました。その様は、まるで千手観音のよう。瞬間に何百発も
のパンチを繰り出し、うさぎちゃんのセレニティはまたもや窮地に。

海野 「ふふふふふふ、どうです、うさぎさん!?」
うさぎ「ぐ……このままじゃ……」

ところがふと下に目をやると、ルシファーの足はガラあきでスキだらけで
した。土壇場で相手の弱点を見出せるあたりは歴戦の勇士の片鱗を見せて
くれます。

うさぎ「これだ……!
    セレニティ・キーーーーーーック!!」
衛  「……技の名前を叫ぶんじゃない、うさこ……」
まこと「うさぎちゃんにそんな技あったっけ?」

 ばきっ

海野のエンジェルはバランスを崩してレイヤーに叩きつけられました。す
かさず、ルシファーの腕を掴み、ぐるんぐるんと振り回して遠心力をつけ
ていきます。

うさぎ「セレニティ・ハンマー投げーーーーーーっ!!」
衛  「……だから、技の名前は……」
美奈子「なかったわよねえ、そんな名前の技」

遠心力で飛ばされたルシファー、そのままレイヤーアウト。

司会者「セレニティ、WIN!」
衛  「……やれやれ」
うさぎ「へーっ、へーっ、まもちゃ〜〜ん、勝ったよ〜……」
海野 「うううう……なるちゃーん……」

その頃亜美ちゃんは、次の試合に備えてモチベーションを高めていました。
この辺の心構えが、他の連中とは違うところです。

【終わり】

ごめんなさい、さくら編と進行度が合いませんでした。
せらむんは5人一辺に話を進めなければならないのである程度端折る必要
に迫られますが、さくらちゃんの場合は、進行のバランスをとるために全
試合書かないといけないという……この辺が同時進行の難しさです。
というわけで、こちらは今回インターバル中の話が中心になります。

★機動天使エンジェリックレイヤー2nd
 第15話「さくらのイライラ休憩タイム」

☆公園

3回戦まで時間がありました。そこで、外に出て休憩をとることにしまし
た。

知世 「さ、次の試合に備えて気分転換してください」
苺鈴 「おなかすいたわね」
知世 「ご用意しましたわ」
ケロ 「おー!これもあれもうまそうやなー!」
苺鈴 「ったく……いったい何しに来たのよ」
ケロ 「知世の弁当食うためやー!」

知世ちゃんたちは外の公園で食事をとっています。知世ちゃんお手製のお
弁当です。
そういえば、すっかり忘れ去られていたようですがケロはちゃんといまし
た。苺鈴ちゃんのバッグに入っていたら、そのまま眠くなってしまったよ
うです。試合を見てなかったようですね。

苺鈴 「それにしても、すごかったよね、あれ」
さくら「ほえ?あれって?」
苺鈴 「何言ってるのよ。あの翼、いつの間に」
さくら「え……そ、そんな、偶然だよ……」
苺鈴 「本当?
    ははーん……」

苺鈴ちゃんは視線を知世ちゃんに移しました。知世ちゃんはただ黙ってに
こっと微笑み返すだけです。
#苺鈴ちゃんは知世ちゃんのいかさまだと思い込んでいるようです

☆挙動不審

小狼がさっきからもぞもぞしていました。何かを気にしていながらも、ち
らっちらっとさくらちゃんの方を見ています。

知世 「李くん」
小狼 「……え?」
知世 「おトイレですか?」
小狼 「……あ、ああ……ちょっと……」

ところが、小狼の行動は全く別でした。途中でトイレとは別の方向に向か
いました。知世ちゃんたちは小狼の行動をトレースしているわけではない
のですが、怪しい雰囲気は察知していました。

苺鈴 「なんか怪しいよねー」

知世ちゃんは黙して同意しました。こんなことなら、さくらちゃんの相手
として認めるべきではなかったのでは、今こそ自分の思いをさくらちゃん
に告げるべきではないのか、そんな思いがちょっとだけ頭を過ぎりました。
そしてその気持ちは、行動にちょっとだけ表れました。知世ちゃんはさく
らちゃんの手に自分の手をそっと重ねました。そしてさくらちゃんに注が
れる知世ちゃんの熱い熱い視線。そっち方面には全く属性値のない苺鈴ち
ゃんには、それだけでも刺激が強すぎました。

苺鈴 「……な、なんか怪しいよねー、こっちも……」

☆カフェテリア

みさき「やっぱすごいなー。レベル高くなっとる」
鳩子 「勝ち残ったといっても、うかうかしていられないわ」

みさきちは鳩子ちゃんとカフェテリアで軽食をとっていました。もちろん
鳩子ちゃんの視線はみさきちを全く外すことはありません。ましてや、先
ほどの王二郎の浮気現場を目にしては、あんな女たらしに絶対みさきちを
奪われてはならない、そんな思いが強くなっているのはもはや説明の必要
はありません。
そこに、一人の少年が、柱の陰から2人、いや、みさきちに視線を送って
いました。

小狼 「……」

小狼はただ黙ってみさきちの方を見つめていました。別に気づいてもらお
うと思っているわけでもなく、ただ見ているだけ。さっきから─さくらち
ゃん達と一緒に公園に向かう途中で、カフェテリアにいるみさきちに気づ
いてから─、小狼の頭の中にはみさきちの笑顔がかなりの部分を占めてい
ました。
一度ちゃんと話をしてみたい……思いは強くなる一方。
そんな小狼の様子に、みさきちが気づきました。

みさき「あれ、あの子……」

何か刺さるような視線、その先はみさきちに向いていた……それに気づい
た鳩子ちゃんは、一瞬、また新たなライバル出現か、と身を硬くし、表情
も強張りました。
しかし、みさきちよりはちょっと背が高いとはいえ、童顔で、実際みさき
ちよりも1コ下ではありますが、年下で明らかに王二郎より見劣りがする
し、ライバルとしては王二郎より遥かに与し易い相手だとすぐに認識した
ようです。

☆ドーピング検査

さくら「あ、もう時間だ……」
苺鈴 「え、もう?まだ一時間あるんじゃないの?」
さくら「試合前にドーピングの検査があるんだよ」
苺鈴 「えー、厳しー」

これだけハイレベルな大会になると、審査も厳正であることが要求されま
す。特に薬物による身体能力増強はスポーツの大会でも見極めが難しくな
っています。実際は血液検査だけでは充分とは言えませんが、この場では
この程度で済ませているようです。もちろん検査は合格です。

さくら「よかった……」

検査があるため、さくらちゃんは食事を取らなかったのでした。
知世ちゃんの魔の手にかかると、あっさりと禁止薬物の反応が出るところ
だった……かもしれません。そんなことあるわけないか。

ケロ 「あー、喰った喰った」
苺鈴 「あーあ、一人で全部食べちゃったよ、こいつ」
ケロ 「誰も喰わんからわいが食ったんやないか」
苺鈴 「木之本さんの分もあったのよ。
    ……あ、そうか。
    (こそこそ)大道寺さん、食べ物に何か入れたでしょ?
    木之本さんが検査にひっかかるところだったんじゃない?
    よかったね、食べなくて」
知世 「おほほほほほ」

知世ちゃんのこの笑みは何を物語るのでしょうか。

☆動揺

さくらちゃんが検査を終え、控え室に向かう途中で、小狼を見かけました。

さくら「あ、小狼く……」

しかし、小狼の視線の先には…………
その視線の先の人物から、小狼に向かって言葉が発せられました。

みさき「一人?友達は?」

せっかくみさきちが声をかけてくれたのに、小狼はうろたえました。意気
地がありません。脱兎のごとくその場を離れました。

みさき「な……?」
鳩子 「ふっ……」

そうなれば、余裕の表情です、鳩子ちゃん。鼻でせせら笑っています。
みさきち達の視線から小狼は見えなくなりましたが、小狼の向かう方向に
は、さくらちゃんがいました。

小狼 「あっ……」
さくら「小狼……くん……」

小狼は立ち止まりました。2人は視線が合わせられません。

小狼 「……」
さくら「小狼くん……やっぱり、鈴原さんのこと……」
小狼 「……!」

小狼は何も言わず、その場を立ち去りました。

小狼 (ごめん、さくら……でも俺、今どうしようもないんだ……どっち
    が本当の気持ちなのか、自分でも……)

置き去りにされてしまったさくらちゃん。

さくら「小狼くん…………」

あのとき、自分のことを「好き」だと言ってくれたのは、ひょっとしてそ
の場の勢いだったの……?本心だったの……?

そして同時に自分の気持ちをも疑い始めました。

「好き」っていってくれたからつられていっちゃったの……?本当に好き
だったの……?雪兎さんのときと本当に違うの……?

じゃあ、あの人は……?確かにかっこいい人だ。でも、本当はどう思って
るの……?
この気持ちは小狼くんのときと違う……?2人を比較していいものなの…?

さくらちゃんの心は千千に乱れてしまいました。

さくら「わかんないよ……」

思えば、どちらからというわけでもないのにお互いが別な誰かを意識する
ようになった……さくらちゃんも小狼のことを言える立場にはないのです
が、それでも、身近にいる人に支えて欲しいと思うもの。欲張りかもしれ
ません。

みさき「あ、もう時間やね」
鳩子 「いこう、みさき」

第三回戦開始時間は刻々と迫ってきました。次第に会場へと向かう人の波。
出場者も徐々にテンションを高めています。
でも、さくらちゃんの足は全然前に進みません。

さくら「こんなんじゃ……試合……」

☆モニター室
いっちゃんは、尾形からある報告を受けていました。

いっち「な、なんやてー!?」
尾形 「で、ですから……」

ある報告とは……東京都大会Aにおいて関東大会出場資格を得た4人のう
ち2人が、家庭の事情により出場辞退を余儀なくされ、本人達から連絡が
あった、という内容のものでした。
#あ、鳩子ちゃんじゃないですよ。

藤森 「そんな、2人も定員割れなんて」
尾形 「あ、いっそのこと、このB大会で2人枠を増やして6人にすると
    か」
藤森 「それじゃあ、他の地区から苦情が出るわ」
いっち「オーガーター!」
尾形 「(ぎくっ)な、なんですか?」
いっち「そういうのを『禁じられた言葉』言うんや。そういう軽はずみな
    ことを口走る困ったちゃんには……」
藤森 「罰ゲームやー……」
尾形 「な、な、なんですか、2人して!?」
いっち「都庁最上階まで階段で一往復や」
尾形 「と、都庁に階段なんてあるんでしたっけ……」
藤森 「10分で帰ってくるんやでー……」
尾形 「ひーーーーっ!!」

藤森さんと交際しているはずの尾形くんでしたが、相変わらずいじめられ
ているようです。

藤森 「でも困りましたね。本当にB大会で欠員を補充しますか?」
いっち「A地区の人間もこの大会に出とるしな……しゃあない……藤森、
    手続きしといてくれんか」
藤森 「わかりました」

【第15話 終わり】

ということで、これでせらむん5人を全員残すチャンスを作りました。

しかし、小学生がここまで悩むものなのだろうか……無理があったかな。

それでは。

--
s.goto

まほろさん「えっちなのはいけないと思います!」
式条   「あんたねえ…えっちしないと、イケないでしょ!?」