Path: news1.wakwak.com!nf1.xephion.ne.jp!onion.ish.org!onodera-news!newsfeed.media.kyoto-u.ac.jp!Q.T.Honey!ngate01.so-net.ne.jp!news-post.so-net.ne.jp!not-for-mail From: Keita Ishizaki Newsgroups: fj.rec.animation,japan.anime,japan.anime.pretty Subject: C.C. SAKURA OriginalStory#11 (3/4) (Re: C.C. SAKURA OriginalStory#11 (2/4) ) Date: Sun, 10 Feb 2002 12:34:41 +0900 Organization: So-net Lines: 344 Message-ID: References: NNTP-Posting-Host: pdf55ad.kngwnt01.ap.so-net.ne.jp Mime-Version: 1.0 Content-Type: text/plain; charset=iso-2022-jp In-Reply-To: X-Newsreader: Datula version 1.20.09 for Windows Xref: Sakura.CardCaptors fj.rec.animation:4956 japan.anime:561 japan.anime.pretty:2977 石崎です。 現在はNetNewsをお休み中の藤森さんによるカードキャプターさくらの 妄想小説の続きです。 アニメを題材とした二次小説(若干Hです)が好きな方のみ。 全文で約2,000行程ありますので、以下の4つの記事に分けて投稿します。 この記事は、第11話エピローグです。 ・アニメ版妄想小説No.11『さくらと鏡と凸レンズ』(Aパート)  からお読み下さい ・アニメ版妄想小説No.11『さくらと鏡と凸レンズ』(Bパート)  からお読み下さい ・アニメ版妄想小説No.11『さくらと鏡と凸レンズ』(エピローグ)  この記事です。 (以下続けて投稿します) ・おまけエピソード 『さくらと知世のクリスマス』 それでは、藤森さんの妄想小説の続きをお楽しみ下さい。 (以下、藤森さんのメールより) アニメ版妄想小説No.11『さくらと鏡と凸レンズ』(エピローグ) ★エピローグ その1 エリオル家の人々 今度は、魔法でさくらちゃんの夢の中まで覗き見しているエリオル。 いや、覗き見するだけではあきたらず、 エリオルみずからさくらちゃんの夢の中に出演しています。 もちろん、山崎君との一人二役で、さらに よりリアルになるようにさくらちゃんの周囲の演出までしていました。 「真冬に全身小麦色のさくらさんは少しかわいそうなのでは?」 「キャハハハ、さくらちゃん、ガングロ小学生〜っ!」 「さくらさんが真っ黒に日焼けした夢を見ていたので、  私はそれに少し演出を加えただけですよ。  巨大凸レンズには紫外線をカットさせましたから、  実際にはさくらさんはあまり日焼けしないはずです。」 「エリオルって、やっさし〜い。」 「どうも。」 「でも、こうしてさくらちゃんの夢まで操作して、  悪夢にしちゃってるんだから元も子もないけどねっ。」 「・・・」 奈久留ちゃんの突っ込みで険悪な雰囲気になりそうなのを感じ、 スピネルは汗をかきながら話題を変えます。 「それにしても、よくあれほどの大嘘がスラスラと出てきますねえ。」 「山崎君がいたら、どうしただろうと考えたらすぐに思い付くよ。」 「山崎君ってば、エリオルに毒されちゃったのかな?」 「・・・」 奈久留ちゃんもスピネルも山崎君とはあまり面識がありませんので、 さくらちゃんの夢の中に出てきた山崎君の性格は、 エリオルに影響されたものだろうと勘違いしています。 実際には山崎君は元々あの通りの性格で、 エリオルの方がそれに合わせて友情を育んだのですが。 「・・・まあ、これにこりて、  さくらさんは将来も絶対ガングロなんてしないでしょう。」 「エリオルは『ガングロ』なるファッションは嫌いなのですか?」 「大嫌いですね。自然に日焼けしたものならともかく、  あの奇異なファッションセンスは理解できません。」 「エリオル、おじんくさ〜い。」 「・・・#」(怒) にっこりとほほ笑んだまま、奈久留ちゃんの方へ くる〜りと顔を向けるエリオル。 その微笑はいつもと同じだったが、凍り付いたように動かない。 スピネルは全身総毛立ち、にぶい奈久留ちゃんすら 背筋に冷たいものが走って、その場にしりもちをついた。 椅子から立ち上がり、奈久留ちゃんの方へとゆっくり歩み寄るエリオル。 奈久留ちゃんは脂汗を流しながら、蛇に睨まれたカエルのように動けない。 スピネルも全身痺れたように動けなかったが、「この場にいたくない」という 思いの方が勝ち、なんとか足を動かすことに成功し、ソファーから転げ落ちて 部屋から逃げ出すのだった。 「え、エリオル、やめて・・・」 「・・・」 「や、やめて、お、お嫁に行けなくなっちゃう!」 捨て身でギャグを入れ、なんとかごまかそうとする奈久留ちゃん。 しかし、エリオルの表情は変わらない。 いや、今のギャグでかえって凍り付いたようだ。 「や、やめてぇ〜っ!『エロ』オルぅ〜っ!  観月センセに言いつけちゃうんだから〜っ!」 これにはピクリと反応したエリオル。 奈久留ちゃんはかわいこぶりっ子して、グーにして合わせた両手をあごに当て、 いやいやをしながらうるうるお目々で懇願しています。 「そうですか・・・それでは、ますます見逃せませんね・・・」 「きゃ〜っ!!」 * 後日のエリオル家。 なぜか普段通りに振る舞っている奈久留ちゃんとエリオル。 スピネルは、かえってそれが不気味で、思い切ってエリオルに聞いてみます。 「ルビーに何をしたんです?」 「・・・ユエと同じことさ・・・」 「ユエと?」 「術で身動きできないようにして、こう抱き上げて、手を体に這わせ・・・」 エリオルは、奈久留ちゃんを抱き上げて、体をさするそぶりをして見せます。 はた目にはいやらしい手つきですが、 スピネルにはエリオルがルビーに何をしたのかわかりました。 「記憶を消したんですね?」 「・・・つまらないねえ。きみは。」 「あなたの作品ですから。」 言った後で、しまったと思ったスピネル。しかし、もう遅い。 再び、凍り付いた笑顔で立ち上がったエリオルは、 お茶うけのアップルパイをお皿ごとその手に持っていた。 スピネルは全身から滝のように脂汗を流しながらも、その場から動けません。 黒いスピネルの上に、エリオルの影が黒々と覆い被さり・・・ * そして、それから。 「ねーねー、エリオルぅ。お腹すいちゃったぁ。なんかおやつなぁい?」 「すみませんねえ、奈久留さん。  今、ちょっと家中のお菓子を切らしてしまいまして・・・」 「え〜っ!そんなあ!」 スピネルの「んちゃ砲」で壊れた屋根の修理をしているエリオル。 大穴の明いた屋根の上にいるエリオルに、 穴の下から声をかけた奈久留ちゃんはその答えを聞いてがっかり。 ふと、側のソファーの上を見ると、スピネルがよだれを垂らしながら寝ています。 「ふみゃ〜ん、ゴロゴロ・・・もう食べられにゃ〜い・・・」 「あ〜っ!スッピー、あんたまた家中のお菓子食べちゃったわね〜っ!」 酔っ払ってソファーで眠りこけているスピネルの 首根っこを摘み上げる奈久留ちゃん。 「んもう、お菓子が嫌いだなんて言ってるくせに、  家中のお菓子がなくなる時はいつもあんたのせいなんだから!  え〜い、こうしてやるう!」 奈久留ちゃんはスピネルの首根っこから、 尻尾に持ち替えてぶんぶん振り回してしまいます。 「ふ、ふみゃあ〜?@@@@??」 すぽっ! 「あっ!」 ガッシャーン!・・・キラッ! 酔っ払った上に振り回されて、完全に目を回したスピネル。 さらに奈久留ちゃんが手を滑らせて尻尾をはなしたため、スピネルの体は ガラス窓を突き破り、はるか遠くに放り投げられてしまうのでした。 「あ〜らら。ま、いっか。自業自得よね!  あっそうだ!エリオルぅ、何か作ってよぉ!  この際、甘くなくてもいいからさあ。  お腹すいた!お腹すいた!お腹すいた〜っ!」 「はいはい。そうですね、私も食べ損ねたので、  またアップルパイでも作りましょう。」 「わ〜い!」 (はあ・・・屋根と窓の修理は、お茶を飲んでからにしましょう・・・) こうして、エリオル家の一見平穏な(?)日常は過ぎていくのであった。 自業自得と言えば、ルビー・ムーンとスピネル・サンを創ったエリオル自身も 自業自得だったが、少なくとも退屈はしないであろう。 * 「すっぴぃ・・・おんどれ・・・  ようやっとボスを倒せた所やったのに・・・よくも〜っ!」 「んみゃ?」 突然、天窓から飛び込んできたスピネルに体当たりされた上に、 ゲーム機のリセットボタンまで押されてしまったケロちゃん。 怒り心頭に発したケロちゃんと、酔っ払ったままのスピネルの 果てしない戦いが、再び始まるのであった。ちゃんちゃん。 ★エピローグ その2 大道寺家 深夜 夜中にようやく目覚めたさくらちゃんに青い服、こげ茶色のショートパンツ、 黄色いロングソックスを着せて送り出した知世ちゃん。 遅くなったので、さくらちゃんはフライを使って飛んで行きました。 丸いお月様を背景に、飛び去るさくらちゃんを撮影した後、 知世ちゃんは自分の家に戻って本日の収穫物の確認と編集作業。 ビデオ編集室で、ケロちゃんが撮影した映像を一生懸命編集します。 カメラワークが甘い上に、撮影ボタンが押しっぱなしだったので冗長な 映像ですが、写っているシーンは何度見ても飽きない美しさ。 知世ちゃんは自分自身が写っている映像を見ることはほとんどありませんが、 ケロちゃんが写した部分にはさくらちゃんと一緒に知世ちゃんも写っています。 それでも、知世ちゃんの目が追うのは超絶美しいさくらちゃんのお姿のみ。 そして、知世ちゃんがさくらちゃんと重なって杖を振るシーンでは、 映像としてはほとんどさくらちゃんの姿が確認できないにもかかわらず、 自分の中にさくらちゃんを感じたことを思い出して体が震えます。 まさしく、これらの映像は「家宝中の家宝」として 厳重に保存するにふさわしいものでした。 「はあっ・・・すばらしい映像が撮れましたが・・・  さすがにこれは、李君にはお見せできませんわね。」 小狼に見せるために苺鈴ちゃんの式服風バトルコスチュームを作ったのだが、 後半のコスチュームを着ていないさくらちゃんのお姿はとても見せられない。 また、バトルコスチュームを着ている前半だけ見せれば、 当然「どうなったか、最後まで見たい」と言われるだろう。 小狼を心配させたり、鼻血の海で溺死させたりするのは知世ちゃんの本意では ないから、結局この映像は知世ちゃんだけが見る秘蔵の品となりそうだ。 * 知世ちゃんの編集作業は進み、場面はさくらちゃんが ミラーさんを押し倒すシーンとなった。 「ああっ!さくらちゃんと、ミラーさくらちゃん・・・」 知世ちゃんには一目で二人の区別がつきますが、 それでもこれがさくらちゃんが二人いるほどのウルトラスーパーデラックス てんこもりに美しい映像であることは変わらない。 そしてこの後、眠っているさくらちゃんと、ミラーさくらちゃんの二人に コスチューム運搬車内の服を片っ端から着せては撮り、脱がしては撮り、 また着せては撮り・・・ そう、それは知世ちゃんにとって、かってないほど幸福な時間。 撮れている映像も、また素晴らしい物でした。 ただ一点、本物のさくらちゃんが眠ったままだったことが惜しまれるのですが。 「今度は、さくらちゃんとミラーさくらちゃんに  ツインさんを使っていただいて、  四人になったさくらちゃんに同時にお着替えさせたいですわあ。」 「そうですわ!わたくし自身もツインさんに二人にしていただければ、いろんな  角度から同時に四人のさくらちゃんのお姿をビデオに撮影できますわ!」 四人のさくらちゃんと、二人の知世ちゃんが入り乱れての6P、 もとい、着せ替え撮影会を妄想してしまう知世ちゃん。 それは、ドリームのクロウカードの時に見た知世ちゃんの夢・・・ 「バトルコスチュームを着たさくらちゃんがいっぱい」に近く、 文字通り「知世ちゃんの夢」であった。 #この少し後、知世ちゃんは初詣で「望み事叶う」の大吉おみくじを引くので、 #来年にはこの夢も叶うことでしょう。(^^; * 「そうそう、さくらちゃんへのクリスマスプレゼントも準備しなくては!」 いつまでも繰り返し見ていたい素晴らしい映像ですが、 クリスマスまではあとわずか。 いつでもできるビデオ編集作業を中断した知世ちゃんは、 もう深夜過ぎであるにもかかわらず作りかけの服を引っ張り出します。 ツインさんはまださくらカードになっていないはずなので、 さくらちゃんからのクリスマスプレゼントとして 「四人のさくらちゃんとお着替え」を望むのはさすがに無理ですが、 クリスマスにはさくらちゃんにぜひこの服を着てもらいたい。 この服を着たさくらちゃんがクリスマスの夜を華麗に舞うお姿を 妄想しながら、知世ちゃんはちくちくと針を進めるのでした。 おしまい。 ●少し後書き 筆者初のさくらカード編長編妄想、いかがでしたでしょうか? これの元ネタは、スルーのクロウカード封印エピソード アニメ版妄想小説No.9『さくらのトイレの幽霊退治!?』において、 投稿していただいた佐々木さんにメールでもらったフォロー、 >スルーって全ての攻撃が「すり抜けて」しまうので戦闘時には強力かも。 に対してフォロー返しメールで書いた、 「使い方を間違えて大変なことになってしまった場合」の 「お約束な展開」(地面の中に墜落)「鬼畜な展開」(服がすり抜ける) 「さらに鬼畜な展開」(杖が拾えず元に戻れない)が元になっております。 #メールならではの鬼畜な展開だったのに・・・長編妄想にしてしまったあ! #なんだか話数が進むほどさくらちゃんの露出度が上がってしまっている。 #ごめんよ、さくらちゃん。 さて、アニメで描写されなかった部分を妄想で補完したお話ですので、 できるだけアニメの設定に合わせて書いています。 アニメ第61話冒頭で木之本家まで戻ってきたさくらちゃんは 疲れてはいても全然日焼けしていませんので、 「さくらちゃん日焼け」エピソードは夢オチに。 また、巨大レンズと鏡をアローで破壊されたので、翌日エリオルは破壊しても 再生する手摺で攻撃することを考え付くというつながりにしています。 #厳密には、少し矛盾があると思われますが。 それにしても、さくらちゃんのアニメが終わってから ずいぶん時間がたっており、細かい所をすっかり忘れてしまいました。 さくらちゃんの感想記事を書き、数々の長編妄想を考えてきた筆者にして、 このお話を書くためにアニメ第61話とその前後を見直す必要があったほどです。 読者も忘れていると思いましたので、登場させたカードに関して いつさくらカードにしたのか、簡単な説明を入れてみました。 そして、苺鈴ちゃん来日と帰国がこのお話のすぐ前だったので、 さくらちゃんのバトルコスチュームを苺鈴ちゃんの式服風にしてみました。 苺鈴ちゃんの式服がどんなだったかもすっかり忘れていたのですが。(^^; 以下、おまけのお話が付けてあります。 知世ちゃんからさくらちゃんへのクリスマスプレゼントのお話。 アニメ第61話内で以下のような会話があったので、それが元になっております。 「プレゼントに乗って、さっそうとクリスマスの夜を舞うさくらちゃん。  速く撮影の準備をしなくては。」 「も、もしかしてトナカイとかいるの?」 「おほほっ。お先に失礼しま〜す。」 さくらちゃんが乗れる知世ちゃんのクリスマスプレゼントとは・・・? (メールはここまでです)  では、おまけのエピソードへと続きます。 -- Keita Ishizaki mailto:keitai@fa2.so-net.ne.jp