Re: C.C. SAKURA OriginalStory#9(A-Part)
こん○○わ、PARALLAXです。では、本編への感想を。
> アニメ版妄想小説No.9『さくらのトイレの幽霊退治!?』
タイトルだけ読んだ時には「おぉ『学校の怪談』か!?」と考えて
しまいました(笑)。「トイレの花子さん」(古)は、確かめちゃ
めちゃ色っぽい「じょしこーせー」だったかな?
#「Horntedじゃんくしょん」なんて、誰が覚えてるんだ?(笑)
> 千春 「そりゃ冬のスポーツもあるんだから応援に夏も冬もないんだけどさ。」
山崎「昔はね、スポーツは春から秋だけのものだったんだ。でも
ゲルマン民族が大移動して欧州大陸の北の方にも別民族が
居るって判った時から、スポーツは冬も行われるようにな
ったんだ。ほらエジプト文明なんかは季節が無いからね。」
エリ「今は屋内競技場が充実しているから基本的には如何なるス
ポーツでも夏冬問わず可能ですが、この伝統を踏まえて時
のクーベルタン男爵は夏冬オリンピックの競技枠を決定し
たんですよね。だからローラーブレードは冬の競技に・・」
がし!と硬い握手を交わす、二人であった・・・
#念の為に。これは嘘です(笑)。
> 千春 「季節はずれのモノ?」
> 奈緒子「もちろん、幽霊!」
あのー、奈緒子ちゃん? 冬に登場する「おばけ」は結構居るん
ですが。特に「おっきなおともだち」になると、寧ろ冬に登場す
る「おばけ」の方が好きだったりするかもしないかも・・・
#ほら、これをたがみよしひさが描くと雑誌が廃刊されると言う
> さくら「ほえぇ〜っ!」
> (お約束で悲鳴を上げ、バトンを頭の上に落としてしまうさくらちゃん。)
> さくら「はうぅ〜。」(泣)
勿論、ここは原作第1巻の練習風景を脳裏に浮かべながら読むの
がデフォルトっすね!(力説)
#原作も巻が進みシリアスな話が多くなるに連れ、あー言った
#「ぽややん」なシーンが減ってきたからなぁ(;_;)。
> 奈緒子「でも、ほんとなんだよ。昨日、部活で遅くなった子がトイレに入ると、
> 妙な格好をした子がいたんだって。」
「幽霊」「おばけ」云々は兎も角としまして、この噂だけは真実
を語っているのではないかと(笑)。「影(shadow)」の時しかり、
「雷(thunder)」の時しかり、「歌(song)」の時しかり。
#あの時、校内に残っている者が居なかったと言えようか?(反語)
> 千春 「演劇部の人が衣装合わせしてたとかじゃないの?」
トイレの個室で衣装替え・・・千春ちゃん、妙なイベントに出入
りしてるんじゃないだろうなぁ?(笑) 主催者に許可は取った?
#友枝小学校演劇部なら、講堂の舞台裏に楽屋の一つもあろうかと。
> 奈緒子「他にも、壁の中に消えちゃう妙な格好をした子を見た人が
> 何人もいるんだって。」
えーっと、確か学校内部が迷路状になり途中知世ちゃんが逸れパニ
クったさくらちゃんを小狼が勇気付け「影(shadow)」で助け・・て
なエピソードがあったかと思うんですが・・駄目だ、思い出せん。
その時さくらちゃんが知世オリジナルを纏っていたなら、これを
見かけた者が次元断層に消えるさくらちゃんを見かければ、当然
こう言った噂の一つも流そうかと。
> 奈緒子「去年、学校の裏に出没してた正体不明のおばけ、
> 結局あれ以来一度も見れなかったもん。
> 今度はちゃんと正体を確かめなきゃ!」
学校裏・・・あぁ知世ちゃん曰く「ペンギン大王」のアレですか。
しかし某「創(create)」の時には豹だの龍だの巨大猫だのを創造
していた張本人ならではの台詞ですなぁ(笑)。
> 奈緒子「3階の生徒会室の近くの、あんまり使われてないトイレだって。」
これは隣の高校になると「3階の進路資料室」になる訳です。
#「誰も使わないトイレ」って、実はコワイんだぞぉ・・・
> 千春 「真冬に出る幽霊なんて、恐くないわよ。」(根拠のない自信)
いや「おっきなおともだち」辺りになると、真冬の幽霊の方が
ある意味「怖い」んでして・・・いや「イタい」かな?
#雪女って、今風に言えば立派な公然ストーカーでないかい?
> さくら「あっ、知世ちゃん、付き合って〜っ!」
> (泣きながら知世ちゃんにすがり付くさくらちゃん)
知世「大丈夫ですわ。だってさくらちゃんには無敵の呪文がある
じゃありませんか!」
#原作最終回で感動されている方々、どうもすみませんm(__)m。
> 知世 (さくらちゃんの頼みなら、どこであろうと付き合いますわ。
> ほんとうはさくらちゃん自身と...ですが...)
と言う訳で、ある意味「真冬の幽霊」に最も近いのは知世ちゃん
ではないかと・・・と言う事は絶好の配役かな?
と、ここで場面転換しますが・・・あれ、利佳ちゃんは?
喋っていないだけで、ここには居るんですよね? ね? ねぇ?
利佳 (;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)(;_;)
> 生徒会の人も帰ったため、閑散としています。
そこいらの部活動より早く帰宅できる生徒会・・・当時、夢でし
た。下手すると校舎の戸締りまで確認して帰ったもんなぁ。
#それにかこつけ、真夏の深夜の校舎内で「生徒会主宰きもだめ
#し大会」なんかを開き、女の子を泣かせ男の子の正体をバラし
#1組カップルをくっつけた、というのはひみつ(爆)。
> 千春 「どうせ誰もいないんだから、男子の方も見ちゃおうか。」
> 奈緒子「見ちゃおう!」
・・・最初っから狙っていた、に1票(笑)。
#んで中に入り「なに何!この縦型は〜(きゃあきゃあ)」と騒ぎ
#捲くるんだな(元ネタ「ペリカン・ロード」)。
> さくらちゃんは千春ちゃんに引っ張られて、
> 知世ちゃんはさくらちゃんについて入っていきます。
と言う事は、そう幅の無い筈のトイレの入り口、入場順序は
奈緒子−千春−さくら−知世
の順序です(待てよ、4人一塊だんご状態かな?)から、
> 知世 「まあ。」(いつのまにかビデオを取り出して撮っています。)
こうなる為には、随分と奈緒子ちゃんが男子トイレの中に侵入し
ていなければならない筈です。しかし
> 千春 「...?だ、誰か...いる。」
と「トイレに入ってから」感じるためには、入り口の扉を開けて
中を見渡せるタイプではダメと言う事。加えて、
> 小狼 「うわ〜っ!」
ですから、小狼は「本人にとっては恥ずかしい」格好かポーズを
していたのでしょう。これらを総合して考察すると・・・
友枝小学校の男子トイレは、扉の無い開放型で入り口から直ぐに
パーテーションがあり、これを回り込むと小用便器の列が見える、
といった具合だと推察されます。
#以上、友枝小学校建物構造の推理でした(どかばきっ)。
それにしても。何時如何なる時にもビデオカメラを携帯している
とは、流石の大道寺知世ちゃん。重いのになぁ・・・PC3でも。
#はっ。それとも「動画も録れる」デジカメか?
> 千春 「なんだ、李君かあ。」
落ち着き払って言う姿に、並々ならぬ物を感じます、この娘(笑)。
#普通なら両手で目を隠すところだよねぇ・・・指を開いて(爆)。
#まさか「見慣れている」なんて事は無いよね、ね、ねぇ?
> 小狼 「お、お前ら、こ、ここは男子トイレ...」
うんうん。こう言う時は覗かれた方が指摘するのが鉄板です。
#これが逆なら某アニメでは、「覗きやぁー!」とケラケラ笑わ
#れ、「そない覗きたいなら、ほれ(はぁと)」とからかわれ、お
#めめグルグルにして「わたわた」している娘を脇に「秘剣っ岩
#斬閃!」と天誅を食らい、最期に鉄拳制裁される所だろうなぁ。
##出典のファンフィクション小説を御存知の方、御友達です。
> #小狼がどんな状態だったかは各自想像してください。(^^;
「誰も居なさそうなトイレ」に「一人」で「こそこそ」と・・・
小学生には似つかわしくない想像をした人には、大道寺私設部隊
の天誅制裁暗殺が下ります(断言)。ほら、足音が・・・
> #ま、筆者の妄想では、小狼はさくらちゃんの前で
> #すっぽんぽんに近い状態にまでなったこともあるから問題ないか。
しかしOriginalStory#6の「さくらちゃん、大人になる!?」の
時はさくらちゃん本人も「ぱっつんぱっつんヘソだしちょ〜ミニ
スカ」状態になった覚えが。しかもその際、こともあろうに小狼
に押し倒されていた覚えが。全部知世ちゃんが録っていた覚えが。
> 奈緒子「李君、なんでこんな時間にこんな所にいたんだろ。」
> (筆者の陰謀です。(^^;)
「今月の『大人の事情』」と言うヤツですね(爆)。
まぁここは彼の名誉の為にも「怪しげな気配を辿る内に、偶然に
も噂の場所に行き着いたが、そこでふともよおしてしまった」と
しておいてあげましょうか(笑)。
> 千春 「えっと、実は、緊張したからトイレに行きたくなっちゃったの。」
> (内股でもじもじしている千春ちゃん)
そしてこれも当然「今月の『大人の事情』」と言うヤツですね(爆)。
> 女子トイレにみんなで入るさくらちゃんたち。
昔っから不思議なんですが、女の子たちはどーして某所に連れ立
って行くんでしょう? あんな所、付き合いで行ったって何する
訳でなし、退屈するだけだと思うんだけどなぁ。
> 一安心した千春ちゃんですが、その時千春ちゃんの後ろの壁から手が出てきて、
> 千春ちゃんの肩をぽんぽんと叩きます。
むむ。私のような世代では、ここは「和式便器の中から、ぬぅっ
とほの白い手が手招きする」と言うのが定番なのですが、友枝小
は矢張り洋式便器ですか。
#このあいだ「金田一〜」が、何かやってなかったかな?
> 半分壁に溶け込んだ、見たことのない服を着た子供の姿!
相方に「日本一の薀蓄師」である山崎君を持つ彼女ですから、そ
んじょそこらの民族衣装くらい知っているでしょう。しかしその
彼女にして知らない衣装と言うことは・・・
これは「知世オリジナル」ブランドに違いない!(<あほ)
> 千春 「キャーッ!!!!」
> しかし、パンツが足かせとなってドアの所でころんでしまいます。
あぁあ千春ちゃん、そんなあられもない格好で(笑)。しかも友枝
小の制服ったらミニですから、膝頭の「ぱんつ」丸見えで。
#この「ぱんつ」と言う響き、が重要ですな(どかばきっ)。
> その時、女子トイレに走り込んでくる人影が!
う〜ん、この後先考えない小狼の性格は好きだなぁ(爆笑)。こう
して彼は、掘った墓穴に自分の恥を埋めながら大人になるのかと。
> 知世 「李君、ここは女子トイレですわよ。」
至極冷静に対応している知世ちゃんに、拍手。きっと彼女の事で
すから、女子トイレに駆け込んできた小狼をきっちり撮影した後
に、こうして立ちはだかっているに違いありません。
> #後ろから肩を叩かれるのはさくらちゃんにしようかとも思ったんだが、
> #あまりにもかわいそうなのでやめてしまった。
ですねぇ(笑)。加えてこの場合、小狼が駆け込むのはさくらちゃ
んが倒れている個室前までに至るでしょうから、PG14指定で
も難しい描写になってしまうかと(どかばきっごすっ)。
> #でも、読者はさくらちゃんの場合、知世ちゃんの場合、
> #利佳ちゃんの場合等で妄想しても可。(^^;;
ふむ・・・・共通する設定は「千春ちゃんの前に、個室に入った
人たち」です。
1)「さくらちゃん、花子さんに襲われる」の巻
さくら「きゃぁあああああ!」
当初から脅かされっぱなしの彼女。それでなくともビクビクもの
で個室にこもった所に「後ろから、手」では、叫ばない方が無理。
さくら「きゃああああああ!」
「ぱんつ」も上げず後始末もせず、便座から立ち上がった彼女が
背後に見たもの。それは・・・奇妙な衣装を纏った子供の姿!
さくら「きゃああああああ!・・・・あ?」
もう壊れたサイレンの様に叫びっぱなしの彼女・・・だったが。
よくよく見れば、見慣れた姿。クロウカード達がよく纏っている
無国籍な特殊衣装のシルエットが見て取れる。ひょっとして・・
さくら「クロウ・・・カードさん?」
こちらも相手の叫び声に驚いたか、その人形のような大きな瞳を
見開き差し出した手を引く事も無く固まっていたが、さくらが落
ち着き取り戻してゆくと同時に、その子もまた落ち着いていった。
さくら「・・・カードさん、でしょ?」
こくっ。素直に首を縦に振る、子供。よくよく見れば、まだ本当
に幼い子供のようだ。「力(power)」も「雲(rain)」も相当幼い
姿だったが、此方はもっと幼い。2〜3歳のようだ。
さくら「・・・どうして? ここに?」
子供が、すっとさくらのポケットを指す。そこは彼女が既に確保
したクロウカードをしまっておく場所。そこを指しながら、子供
はさくらをじっと見つめた。・・・なんて寂しげな瞳。
さくら「・・・寂しいの?」
こくっ。子供が再び、首を振る。
さくら「みんなと一緒に居たいの?」
こくっ。こくっ。何度も首を振る子供。
さくら「そっか。本から出てから、ずっと一人だったんだもんね。
寂しいよね、そんなの。辛いよね、そんなの。」
じっ、と、さくらのポケットを指差したままの子供。さくらの言
葉が聞こえたか、その大きな瞳に、見る見るうちに涙が溜まって
ゆく。つぅ・・と、大粒の涙が、滑らかで小さな頬を伝わる。
さくら「待って。直ぐに、みんなと一緒にしてあげる。」
全てを理解し、胸元の「鍵」を取り出そうとする彼女。どうやら
自分の意思が通じた事を理解し、ぱぁっと笑みを浮かべる子供。
そこへ・・・
小狼 「どうしたっ、木之本! 悲鳴が聞こえたぞ!」
ばきいっ! 轟音を立てて個室のドアが吹き飛ぶ。旋風脚2発で
合板のドアを蝶番ごと粉砕した小狼が個室に駆け込んでくる。
「ぱんつ」を膝頭にずりおろした、あられもない格好のままの
さくらが居る、個室に!
さくら「きゃぁあああああああ!」
先に倍増す悲鳴が高らかに上がる。これに驚いた子供が、すうっ
と壁の向こうに消える。
さくら「あっ! 待って!」
小狼 「どうした、木之本! どうしたんだ!」
時、既に遅し。子供は消え、さくらが見つめるのは、モノトーン
1色の、個室の壁。縋るように壁を見るさくらを、訝しげに見る
小狼。暫しの沈黙の後、小狼が問い掛ける。
小狼 「・・・何が、あったんだ?」
その声に、今始めて気付いたようにきっと小狼を振り返るさくら。
普段の彼女なら絶対に見せない「般若」の表情で、小狼を見る。
さくら「李君の、ばかあっ!」
鉄建制裁、炸裂。向かいの個室のドアを吹き飛ばしながら、小狼
がさくらの個室から叩き出される。
身支度を終えたさくらが、破壊された個室から憤然と出てきたの
はほんの数秒後。カメラをきっちり構えたまま、知世が嘆息する。
知世 「李君たら、ノックもしないんですもの・・・」
「そう言う問題でもないだろう?」と同伴の友人たちは額に汗し
思うが、天使をピヨピヨ飛ばしながら気絶している小狼を見て、
誰もさくらへは突っ込めないのだった。 あぁ李小狼に幸あれ。
千春 「・・・え、えと、私も行って、いいかな?」
悪い訳は無い。とりあえず、破壊された個室の隣に駆け込む千春
だった(以下、藤森さんのストーリーに続く)。
2)「知世ちゃん、花子さんに襲われる」の巻
知世 「あら?」
ふと、自分の肩に触る感触を感じる。・・手?それも小さい。
知世 (・・・これは、やっぱり「出た」のかしら?)
肩口を、つぃと見やる彼女。だが残念。既に姿は無かった。ただ
「何かが触っていた」感触だけが、肩口に残るのみ。
知世 (やっぱり・・・残念ですわ。)
はぁ。と一息ためいきをつき、からからとペーパーホルダを廻し
て後始末する、彼女。マイクロスプレーをしゅっと振りまき自分
の匂いを消し、別のコロンをしゅっとシルクの「すきゃんてぃ」
に吹き、履く。お嬢様、当然の身嗜み。便座の蓋を下ろし、水を
再度流す。1度目が「所要を足していた」時に流されていたのも、
当然の常識。
知世 (・・・でも。)
名残惜しそうに、背後の壁を見る知世。そこはただ、モノトーン
の壁面が広がるのみ。何も感じない。誰も居ない。何も無い。
知世 (何時も・・・いつも、こうですわ。)
また、自分のコンプレックスを感じる、彼女。普段のたおやかな
彼女に似つかわしくない表情を浮かべる。眉を寄せ、半眼でじっ
とモノトーンの壁を見つめる。下唇を甘噛みしてまで。
知世 (何故・・・何故? 私だけ・・・何故?)
これまで、数々の「御町内の平和を守る、カードキャプターさく
らちゃんの活躍」映像を物してきた彼女。さくら本人が恐れる現
場にすら積極的に足を運び、自らの危険を呈してまで迫真ある映
像を収めてきた彼女。得体の知れない物を恐れ、危険にはなるべ
く近づきたくないと言う思いは、そう大して変わる物ではない。
そんな彼女が抱くコンプレックス。そして、それは取りも直さず
「何故、彼女だけがさくらを取り巻く危険に立ち入れるか?」の
謎を解明する、唯一の鍵。それは、
知世 (何故・・・何故、見えないんですの? 私だけ・・・)
そう。彼女は「一切、見えない」のだった。
魔力も霊力も、全くゼロ。流石に「カードが起こしているらしい」
自然現象(雨/風/地震/雷撃)は感じられるが、カード本体の姿
は「見たことが無い」のだった。
だから、恐れは何時も感じない。実践現実経済主義一徹の母親に
育てられた彼女にとっては、目の前にあっても「見られない」者
は、無いも同然。無い「者」は、恐れ様が無い。しかし・・・
知世 (さくらちゃんも、李君も、苺鈴ちゃんも見られるのに、
私だけ・・・私だけ・・・)
じわっ。モノトーンの壁が歪む。熱いものが、瞳に感じられる。
一筋、二筋・・・白磁の頬に、水晶の流れがつたう。
何もかもを手にしている、彼女。美貌も、天賦の才能も、経済も。
それを羨む者は多い。「なんとなく、遠ざけられている」と感じ
る事も頻繁だ。将来、そう言った知り合いはもっと増えるだろう。
だから、彼女は「普通に付き合ってくれる」友人を最も大事にす
る。自分を「あるがままに」受け入れてくれる相手を。そして、
もしそんな友人たちが困ったり悲しんだりしていれば、その苦し
みを分かち合うのは「当たり前」を超えて「義務」とも思う。
しかし。それも「感じられない」のであれば分かち合い様が無い。
す、とポケットから愛用のビデオカメラを取り出し、電源を入れ
る。「市販のカメラには付いていない」セレクタを「Ghost」の
所に入れ、液晶モニタを開く。録画は、まだしていない。
3.5インチTFTカラー液晶には、くっきりと、此方に手を差し
伸べている子供が映っていた。哀しげな瞳まで、よく判る。
大道寺グループが総力をかけて作り上げた「キルリアンモニタ」
が組み込まれた、彼女愛用のビデオカメラ。勿論、一般に市販な
ど出来る訳が無い。数億もの開発研究費を掛けて作られた、知世
専用の「おもちゃ」。公開されれば文字通り世界を覆す代物。
彼女にとって、友人たちと自分を結ぶ、唯一の架け橋。
しかし。所詮はモニター越しの映像。何の感触も沸かない。丁度、
ミサイルの先端に付けられたTVカメラが捕らえる爆破直前の建
物の様に、冷静に見られる。湾岸戦争。ベトナム報道。・・・
ファインダー越しの、友人たちの世界。
ぱちり、と電源を切り、モニターの蓋を閉める。録画ボタンは押
されていない。その間も個室の壁を見つめる知世。
そこには、モノクロームの文様しか広がっていなかった。
ポケットから取り出したサテンのハンカチで頬をぬぐう。大事な
友人に、何も気取られてはいけない。それでなくとも心配性な彼
女に、こう言う勘だけは良い彼女に、絶対に何も知られてはいけ
ない。自分が、何も感じられない事を。友人たちと共有するもの
が、何も無い事を。
友人と一緒にいたいが為。大事な友人を無くさないために。
・・・コンコン。
さくら「知世ちゃん?どうしたの?何かあったの?」
ノックの後、遠慮がちに声を掛けてくる、この自分がやっと手に
入れた、大事な大事な友人を無くさないために、彼女には何も、
知られてはいけない。知らせてはいけない。
知世 「なんでもありませんわ。今、出ます。」
にこやかに、何時も通りの笑顔を浮かべながら、知世は個室の鍵
を開けた。きぃ、と軽い音が蝶番から上がる。扉が開く。
そこには、心配そうな表情を浮かべた、彼女の大事な友人が。
さくら「・・・本当に、何もなかったの?」
知世 「えぇ。」
にこり、と微笑む。簡単だ。これで、彼女の不安も雲散霧消する。
ほら、心配そうな表情が消える。「よかったぁ」と声もあがる。
ばたばた、と、それまで我慢していたらしい別の友人が、知世が
今でた所の個室に駆け込む。彼女なりに、矢張り「怖かった」の
だろう。流石に何の保証もなしに、一人になる事は出来なかった
に違いない。しかし、そこには・・・
この後に起こるであろう出来事を確実に予想しながら、再びポケ
ットからビデオカメラを取り出し、今度は録画ボタンを確実に押
し込みながら、知世は冷静に友人たちの後姿越しに自分が出てき
た個室のドアを撮影し続けていた。
知世ちゃん?知世ちゃん、知世、知世・・・
「世」を「知」る者。それが私。しかし・・・
知世 「何も知らない者。それこそ、私ですわ。」
知世はファインダー越しに、友人たちの姿を冷静に見続けていた。
(以降、藤森さんのストーリーに続く。)
3)「利佳ちゃん、花子さんに襲われる」の巻
利佳 「きゃああああああ!」
流石に「誰も居ない」筈の個室の背後から手を掛けられれば、誰
だって驚く。後始末もせず下着も上げず、利佳は個室から飛び出
した。吃驚した目で、友人たちが彼女を見る。
千春 「ど、どうしたの!? 利佳ちゃん!」(吃驚)
奈緒子「え! やっぱり、出た!?」(わくわく)
さくら「ほぇえええええええ〜!」(悲鳴)
知世 「まぁ。」(冷静沈着)
ばたばたばたっ! 友人達に駆け寄り、抱きつく。
利佳 「で、で、で、出た! 出たよぉ!」
もう、その後は言葉にならない。抱きついたままで泣きじゃくる
彼女を抱えるさくら、そしてそれを心配そうに見つめる奈緒子、
「もう・・・ダメ!」と取り合えず別の個室に駆け込む千春・・
冷静に、全てを撮影している知世(爆)。
奈緒子「でも、利佳ちゃん、よく飛び出してこれたね?」
利佳 「ぐすっ、ぐすっ・・・え?」
奈緒子「下着、足に引っかからなかった?」
利佳 「え・・あ、そう言えば。」
つ、と全員が利佳の足元を見やる。飛び出してきた勢いでスカー
トの裾は何時もの低位置(でもミニ)。そこから伸びるスレンダー
な脚。白いハイソックス(ルーズではない!)。そして・・・
右足首に絡む、黒いレースの布切れっ (核爆)。
知世 「サイドストリング(横結び)の、全レースですの?」
呆然と、それを見やる友人達に、利佳が頬染め、言う。
利佳 「彼(寺田先生)が、好きだから。」ぽっ
・・たっぷり1分は固まっていた全員が解き放たれたのは、再び
個室から悲鳴が上がった、その時だった。
・・・如何でしょう?
> #知世ちゃんだと驚かない可能性が大きいけど。
確かに。ですから「驚かない理由」を、ちょいと考えてみました。
> #で、今回に限り犠牲者が苺鈴ちゃんではないのは、
> #苺鈴ちゃんだと幽霊にその場で反撃してしまいそうだったから。(^^;
さて、これはどうなりますかな?
4)「苺鈴ちゃん、花子さんに襲われる」の巻
苺鈴 「きゃあああああ!」
流石に「誰も居ない」筈の個室の背後から手を掛けられれば、誰
だって驚く。が、そこは「愛する彼を護るため」に激烈な戦闘訓
練を潜り抜けてきた彼女。冷静に、ば!と背後を見やる。
そこにいるのは、怪しげな影!
苺鈴 「きぃえええええ!」
化鳥音と共に肺の中の酸素を入れ替え、瞬時に戦闘モードに移行
する。す、と両腕を開き相手の視線にフェイントをかました後、
彼女得意の攻撃に移る。
苺鈴 「漸光脚!」
どがらがっしゃ〜ん!
。
。。。
。。。。。。
口々に苺鈴を心配する声を掛けながら、両隣の個室から苺鈴の様
子を見た友人たち。そこにいたのは・・・
くまさん「ぱんつ」を膝に絡め、思いっきりコケて洋式便器に頭
ブツけて「ぴよぴよ」状態になっていた苺鈴の姿だった・・・
知世 「まぁ(はぁと)。」(きっちり撮影モード)
その晩。頭におっきな「たんこぶ」をつくって悲鳴を上げている
苺鈴を、小狼は丁寧に世話していた。
苺鈴 「あーん、いったあ〜い、小狼!」
小狼 「我慢しろよ。ほら。」
幾らなんでも、膝に「ぱんつ」を降ろしたまま「ネリチャギ」を
かまそうとすればコケるだろう?とは、とても言えない小狼だった。
こんなん、出来ました(笑)。うん、やっぱ小狼には「尻に敷かれ
ている」図が、最もよく似合う(爆)。
> ★アイキャッチ入りま〜す★
ひー、前半だけでこんな行数になってしまいました。後半は、ま
た別記事で投稿します。 では。
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