藤森@セイコーエプソンです。
さくらちゃんの長編妄想第8弾の全文をお届けします。
またもアニメの第35話の後、劇場版と第36話の間のお話です。

なお、本妄想記事では謎の三人組がゲスト出演していますが、
実在の人物とはほとんど何の関係もありません。


アニメ版妄想小説No.8『さくらと謎の占い師』
(『さくらと怪しい三人組』でもよかったかな?(^^;)

真冬日のお昼、教室にて。
外は寒いので、さくらちゃんは知世ちゃん、奈緒子ちゃんらと
机をくっ付けて教室でお弁当を食べています。

奈緒子:「ねえねえ、知ってる?
     最近、商店街によく当たる占い師さんがいるんだって。」
さくら:「ほえ?占い師さん?」
知世 :「わたくしも聞きましたわ。その占い師さんは水晶玉ではなく、
     天秤を使って占いをするそうです。」
千春 :「へ〜、珍しいね。」
奈緒子:「変わった形の天秤でね、天秤が傾くと、
     何も言わなくても、お客さんの名前や職業、
     占ってほしいことまで全部言い当てるんだって。」
千春 :「何も言わなくても?すご〜い。」
さくら:「恋愛運とか占ってくれるかなあ。」

とたんに、近くの席から聞き耳を立てる苺鈴ちゃん。
(小狼の机と自分の机をくっ付けて、お弁当を小狼に食べさせていました。)

奈緒子:「もちろん!相手が自分のことをどう思っているかも詳しく教えて
     くれて、そりゃもう、怖いくらいに良く当たるんだって。」
千春 :「今日、行ってみようかなあ。」
利佳 :「でも、自分が好きな人が、『あなたのことはなんとも思って
     いないようです』なんて言われたら...」
千春 :「その時はその時よ!相手に自分をもっとアピールしなきゃ!」

苺鈴 :(『他に好きな人がいるようです』なんて言われたら?)
さくら:(雪兎さん、私のこと、どう思っているのかな...)(ポッ)
利佳 :(先生...)(ポッ)

苺鈴 :「そうよ!絶対、確かめてやるわ!!」
さくら:「め、苺鈴ちゃん?」
苺鈴 :「あ、おほほほほほ、なんでもないわ。なんでも。」


こうして、それぞれの想いを秘めながら、放課後友枝町商店街に向かい、
占い師さんをさがすさくらちゃんたち。
苺鈴ちゃんは後からこっそりついて行きます。

千春 :「あっ、いたいた。あの人じゃない?」
奈緒子:「すごい並んでるね〜。」
知世 :「誰が先に占ってもらいます?」
千春 :「私!ほんとに当たるかどうか確かめたいし。」

小さな机の上に変わった形の天秤を載せ、
派手な服を身にまとい、顔の下半分をベールで隠した女性。
その姿に、さくらちゃんは何かを感じ取り、近づくのをためらっています。

知世 :(ひそひそ)「さくらちゃん、どうしました?」
さくら:(ぼそぼそ)「クロウカードの気配がする...」
知世 :「ええっ!?まさか、あの方が?」
さくら:「よくわかんないんだけど...」

占ってもらおうとする人々の長い列の後ろに付いたさくらちゃんたち。
列は長いですが、謎の占い師さんはお客さんを次々にさばいていきます。

苺鈴:(う〜っ、今あの列に並んだら、私が小狼の愛を疑って、
    占ってもらいに来たことがばれちゃうじゃない!
    しかたがないわね、いったん帰って、あらためて来よっと。)

見栄をはって、いったん家に帰ってしまう苺鈴ちゃん。

#この時、小狼は雪兎さんとさくらちゃんの両方に赤くなる
#フタマタ状態だったから、苺鈴ちゃんに知られたら
#とんでもないことになっていたでしょうね。

千春 :「すごい列の進みが速いね。」
奈緒子:「お客さんが何も言わなくても、
     何を占ってもらいたいかわかるんだから速いんじゃない?」
さくら:「なんだか、泣いて駆け出して行っちゃう人もいるけど...」
利佳 :「...怖くなってきちゃった。わ、私、占ってもらわなくていい。」
千春 :「こ、怖くなんかないわよ。
     絶対、あのあんぽんたんの本心を聞くんだからっ!」
さくら:「あんぽんたん?」
千春 :「あ、いえ、その...」
知世 :「もう順番ですわ。」

他の人の話を聞いてしまわないように、
占い師さんから少し離れた所で待っていたさくらちゃんたち。
まず、千春ちゃんが占ってもらいに行きます。

千春 :「じゃ、行ってくるね。絶対、私の話を聞いちゃだめよ!」
奈緒子:「うん。でも、どうだったか詳しく教えてね〜。」

占い師:「いらっしゃい。三原千春ちゃんね。
     占ってほしいことは、山崎貴史君があなたをどう思っているか。」
千春 :「え、あ、は、はい。」
占い師:「これはまた、ずいぶん変わった人を好きになったものねえ。」
千春 :「や、やっぱりそう思います?でも...」
占い師:「でも好きと。大丈夫、彼もあなたのことが好きよ。
     愛情表現はかなり屈折してるみたいだけどね。」
千春 :「よ、良かった...ありがとうございました。」

喜んで、さくらちゃんたちの所に戻ってくる千春ちゃん。

奈緒子:「どうだった?」
千春 :「すごかったよ。何も言わなかったのに、私の名前も、
     占ってほしいことも、相手の名前もわかったみたい。」
利佳 :「占いの結果は?」
千春 :「えへへ〜。私のことが好きだって!(ポッ)」
奈緒子:「良かったね、千春ちゃん。」
利佳 :「...」
千春 :「利佳ちゃんも占ってもらったら?」
利佳 :「...やっぱり、私はいいわ。」
奈緒子:「私は占ってもらうようなことはないし...
     じゃあ、次はさくらちゃん占ってもらえば?」

クロウカードの気配を感じて、占い師さんの方に集中し、
会話に加わらなかったさくらちゃん。
いきなり話を振られてちょっとうろたえています。

さくら:「ほえ?わ、わたし?」
知世 :(ひそひそ)「月城さんのことだけじゃなく、あの方が
     クロウカードさんか確認するためにも、占ってもらいましょう。」
さくら:「う、うん...」

知世ちゃんはさくらちゃんの背中を押して、
いっしょに占い師さんの所に行くのでした。

さくら:「あ、あの...」
占い師:「あら。カードキャプターさんね。」
さくら:「ほ、ほえぇ〜っ!(な、なんでわかったの?)」
占い師:「月城雪兎があなたのことをどう思っているのかと、
     私がクロウカードなのか確認しに来たんでしょ?」
さくら:(...怖いから、雪兎さんの気持ちは聞きたくなくなっちゃったな。)
占い師:「あ、彼の気持ちはもう聞きたくなくなったみたいね。」
さくら:(どうして?なんで私の考えてることがみんなわかっちゃうの?)

知世 :「あなたは、クロウカードさんなんですか?」
占い師:「そうよ。」(あっさり)
さくら:(や、やっぱり。でも、どうして私の考えてることが...)
占い師:「...ケルベロスに聞けばすぐわかるから言うわ。
     私はライブラのクロウカードよ。さあ、今日はもう店じまい。
     私を封印したければ、後でペンギン公園までいらっしゃい。」

占い師さんは天秤を持ち、そのままさっさと歩き去ってしまうのでした。


★アイキャッチ入りま〜す★

奈緒子ちゃんたちと別れ、知世ちゃんといっしょに家に戻ってきたさくらちゃん。
さっそくケロちゃんに相談してみます。

ケロ :「ライブラのクロウカードか...やっかいなやっちゃな。」
さくら:「私の考えてること、全部言い当てちゃうんだよ。」
ケロ :「それがライブラの力なんや。近くにおる人だけやのうて、
     遠くの人の心まで全部読み取ることができるんや。」
知世 :「それで、自分が好きな人が自分のことをどう思っているか
     簡単にわかるんですのね。」
ケロ :「そうや。けど、占い師とはなあ。ライブラは心は読めるんやけど
     未来は読めへんから、運勢に関しては適当なこと言うとるんやろ。」
知世 :「インチキ占い師ですわね。」
ケロ :「とっとと封印せんとあかんな。」
知世 :「封印したければ、ペンギン公園に来るように言っていましたが。」
ケロ :「よっしゃ、カードキャプターさくらの出動や!」
さくら:「ほえぇ〜っ!ま、また夜の公園〜っ!?」
ケロ :「ここまで来たらお約束や!」
さくら:「はう〜。」

こうして、知世ちゃん特製バトルコスチュームを着て、
おなじみ夜のペンギン公園へと出動するさくらちゃん。

ケロ :「ジプシー風の服でなかなかええやないか。」
知世 :「今回は、占い師さんが相手ということで、
     ちょっとエキゾチックなコスチュームを選んでみました。」
さくら:「ほえ〜ん、恥ずかしいよう。」
ケロ :「さくら、それでちょっと踊ってみい。」
さくら:「ほえ?」
ケロ :「ジプシーとくれば踊りと占いや!」(<ドラクエ4のやり過ぎ?)
知世 :「ジプシー風の衣装を着たさくらちゃんが夜の公園で踊るお姿、
     超絶かわいいですわ〜。」
さくら:「はうぅ〜。」

ライブラ:「...あなた達、何しに来たのか忘れてるわね。」
さくら :「ほえ〜っ!」
知世  :「さっきの占い師さんですわ。」
ケロ  :「その天秤は...確かにライブラのクロウカードや!」

ライブラはその手に持つ天秤から手を離しますが、
天秤はそのまま空中にとどまり、光を放ちながら巨大化します。
そして、ライブラは巨大化した天秤の片方のお皿の上に飛び乗るのでした。

ライブラ:「おほほほほほほ。
      さあ、私を封印できるもんならやってごらん!」

ライブラの重さで一方に傾いた巨大な天秤が、
宙に浮いたままさくらちゃんの方へとせまってきます。

さくら:「ほえぇ〜っ!」
ケロ :「さくら、気を付けるんやで!
     ライブラはあの天秤を自在にあやつることもできるんや!」

#そういえば、天秤の形そのものの敵がファイナルファンタジー7で
#出てきたな。魔法で攻撃すると魔法に強くなり、
#物理攻撃をすると物理攻撃に強くなるやつ。

#あと、ファイナルファンタジーシリーズでは、
#「ライブラ」は敵のヒットポイントや弱点を見破る魔法ですね。
#FF8では敵キャラクターを自分で回転させてじっくり見ることができる。
#味方も見れるけど...ううっ、セルフィが縦回転しないよう。(;_;)

間一髪で巨大天秤の体当たりを避けたさくらちゃん。
振り向きざまにウィンディのカードを使い、ライブラを捕まえようとします。
しかし、ウィンディがライブラを捕らえようとした瞬間、
ライブラの姿は消え、天秤の反対側のお皿の上に現れるのでした。

ライブラ:「お〜っほほほほほ!無駄よ、無駄。
      あなたの考えてることはぜ〜んぶお見通し!
      私には、ウィンディの考えてることだってわかるんだから!」
さくら :「そ、そんな...」

反転して、再びさくらちゃんを襲う巨大天秤。
さくらちゃんはジャンプを使って避けますが、避ける方向を読んだライブラは
さくらちゃんが着地する場所に天秤を向かわせます。

知世:「さくらちゃん!」

さくらちゃんが着地した場所を通り過ぎる巨大天秤。
しかし、さくらちゃんは着地した瞬間につまづいてころんでしまい、
天秤はころんださくらちゃんの上を通り過ぎるのでした。

さくら :「あいたた。でも、助かった〜。」
ライブラ:「あら、ころんだのは偶然ね。
      でも、偶然じゃ私を封印なんてできないわよ。」

#これがサトリの化け物なら驚いて逃げ出す所でしょうけどね。

さくら:「ケロちゃん、いったいどうしたらいいのよう!」
ケロ :「う〜ん、やっかいやなあ。どんな魔法を使こても、
     魔法の種類がわかればそれなりに対処できるもんやろし...」
知世 :「あらかじめわかっていても、避けようがなければいいのでは?」

さくら :(考えが読まれても、避けようがない魔法...タイム?
      でも、李君はいないし...)
ライブラ:「そうそう。あなたがタイムのカードを
      持っていないことも承知の上よ。」

#ここで小狼が助けに来るとお約束の展開になってしまうので、
#ちょっとひねりました。


その時、ペンギン公園へと入ってくる三つの人影。

さくら :「李君?」
ライブラ:「違うわ。あの子はまだ私に気付いていないはず...」

ペンギン公園へと入って来た三人は、その場にいる誰も知らない人でした。

さくら:「ほえぇ〜っ!」
?? :「恥ずかしがらなくてもいいですよ。
     ちょっと見かねて助っ人に来ただけですから。」
知世 :「誰...ですの?」

P :「私はとりあえず『P』としておいて下さい。」
HI:「俺は『HI』。」
HA:「僕は『HA』です。」

謎の三人組は巨大天秤の前に進んで、ライブラをしげしげと見つめます。

P :「ふむふむ、なかなかかわいいお嬢さんですね。」
HI:「これは、..しがいがあるというもの。」
HA:「僕らの頭の中を、見事覗けるかな?!」

三人組の異様な雰囲気を察して後ずさりするライブラ。

P :「行くぞ!妄想開始!」
HI&HA:「おう!」

悶々、悶々、悶悶悶悶悶悶悶悶...

ライブラ:「キャ〜ッ!!い、いやぁ〜っっ!!!」

とたんに頭をかかえて苦しみだし、天秤のお皿から落っこちてしまうライブラ。
苦しみながらもさくらちゃんの足元へと体を引きずり、
さくらちゃんの足をつかんで懇願します。

ライブラ:「お、お願い、私を封印して!今すぐ封印して〜っ!!」
さくら :「ほ、ほえ?」
ケロ  :「なんや、よっぽど恐ろしい心を読んでもうたようやな。
      さくら、かわいそうやさかい、封印したり。」
さくら :「う、うん。汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!」

かくして、人間の精神攻撃(妄想攻撃?)に敗れ去ったライブラは、
自ら進んで封印されるのでした。

さくら:「あ、あの、ありがとうございました。」
P  :「いえいえ、これからもがんばって下さい。それでは。」

ペンギン公園から去って行く謎の三人組。

さくら:「私のこと、知ってたみたいだけど...誰だったんだろ。」
ケロ :「さあ?ひょっとしたら、
     わいの隠れファンかもな。」(<それはない!)
知世 :「......」


P :「...かわいそうに、誰だい?
    彼女があんなにおびえるような妄想をしたのは。」
HI:「お、俺じゃないぞ!俺は健全な妄想しかしてない!」
HA:「ぼ、僕でもありませんよ!Pさんじゃないんですか?」
P :「馬鹿を言うな、私は女性に対してひどい妄想はしない!」
HA:「あまり説得力がありませんね。」

HI:「...あいつじゃないのか?」
HA:「誰ですって?」
HI:「わかるだろう、この場にいない男だ。」
P :「『F』か...なるほど、彼なら考えられる。」

妙に納得し、どこへともなく去って行く謎の三人組であった。

#くれぐれも言っておきますが、実在の人物とはほとんど何の関係も
#ありません!これを読んで気を悪くなさらないように。
#(まあ、モデルがわかるように書いているんですが。(^^;;)

#そもそも、記事中で自分のことを「俺」とか「僕」なんて表現する人は
#まずいませんが、三人とも「私」では芸がないので、
#性格もろとも変えてあります。

#他にも、SさんとかEさんとかIさんも出演させたかったんだけど、
#あんまり人数が増えても収拾がつかなくなるから、仕方がない。

##三人どころか全員で悶々やられた日にゃ、ショック死しかねない?(^^;


知世 :「......」
さくら:「知世ちゃん、どうしたの?」
知世 :「い、いえ、なんでもありませんわ。」

ライブラ:(お、恐ろしい、恐ろしい...あんなかわいい顔して、
      あんな恐ろしいことを考えているなんて...)

知世:(さくらちゃんを助けるためとはいえ、
    ちょっとやり過ぎてしまいましたでしょうか?)

こうして、極度の人間不信となったライブラは、
自閉症のため本来の力が発揮できず、人の言っていることが
嘘かどうか見分けるくらいの力しかなくなってしまうのでした。

#知世ちゃんがいったい何を考えていたかは...
#ううっ、筆者の妄想力の限界を超えている!とても妄想できん。(^^;

#う〜む、カードキャプターさくらの世界観から離れた
#妄想をしてしまった。番外編にするべきだったかな?
#ま、そもそもアニメ本編の番外編なんだからいいか。


苺鈴:「あの占い師さんはどこよ〜っ!」

連日、占い師さんをさがして友枝町の商店街をうろつく苺鈴ちゃん。
結局、苺鈴ちゃんは小狼の本当の気持ちを知ることはできなかったのでした。

おしまい。
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 ooξξ 藤森英二郎 セイコーエプソン株式会社
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