ひろ#1.5年ぶりの投稿です。

<9leqm1$gt3$1@news01cd.so-net.ne.jp>より
>石崎@です。

はじめまして。
勉強不足のため怪盗ジャンヌの妄想にフォローできなくて
申し訳ないのですが m(_ _)m

>はろ〜ん、藤森@堕天使フィンだよ〜ん。(<に、似合わないし気持ち悪い〜!)
きゅい〜ん、ひろ@鋼鉄天使くるみですぅ。

透  「何だか恐いです・・」
はな「・・はぁ、なんて心地の良い電波なんでしょう(うっとり)」

<9lhf7m$anq$1@news01de.so-net.ne.jp>より
>キャンピングカーの小さなベッドでさくらちゃんと一緒に寝られる
>知世ちゃん同様、大きな幸せを感じているミラーさくらちゃん。

この先、妄想してみます    悶悶悶悶悶・・・・

「さくらと夏の日の忘れ物」

★ かおっ・・

まろんを見送った後、知世はビデオカメラが津波にさらわれてので
ちゃんと撮れているか心配でキャンピングカーのビデオ編集ルームで
ビデオをチェックしています。もちろんさくらとケロもそれに付き
合わされています。
大画面いっぱいに映し出されるさくらの戦闘シーン、隅っこには
ちゃっかりケロも映っています。

「素敵ですわぁ、さくらちゃん」
「やっぱわいはかっこええなあ」
「はぅ〜」(涙)
「本当に綺麗に撮れていて良かったですわぁ」

瞳をキラキラさせて感激している知世。

「ほえ?」
「どうかされましたか?」
「あ、あわ、あ、あ、ほえぇぇぇぇぇぇ!!!」
「さくら、どないしたんや?」
「さくらちゃん!」
「い、い、今、な、波、か、かおっ・・」

知世はビデオを巻き戻してもう一度再生してみます。

「あら?」
「ふぇぇ」(涙)
さくらは目を思いっきり閉じて画面を見ないようにしています。
大波をよく観るとそこには数え切れないほどの苦しそうな人間の顔が
映っています。
「いっぱい顔が映っとるな」
「そうですわね」
「人面魚の群れか?」
「ええ、いったい何匹居るんでしょうね?」
「ひ〜ふ〜み〜よ〜・・・って、つっこみなしかい!」
「・・きっと霊に違い有りませんわ」
「ほええええええ!!!」
さくらは両手で耳をふさいでまるくなって震えています。
「まったく、さくらの幽霊嫌いにも困ったもんやな」
「そう言えば、この近くの崖が自殺の名所になっているって噂を
聞いたことが有りますわ」
「まあ霊は水に集まり易いいうから、WAVEは海水だけやのうて
ここいら辺りの霊も集めてもうたってことやろな」
「まあ、でもさくらちゃんがWAVEを封印したから、もう大丈夫なの
でしょう?」
「う〜ん、霊まで封印したわけやないから、まだこの辺に、」
カチッ
その時、ビデオ編集ルームの電源が落ち真っ暗になります。
「きゃっ」
さすがの知世も驚いて悲鳴をあげますが、さくらは目を閉じ耳を
塞いでいるため全く気付いていません。
「なんや停電か?」
「多分電源の故障だと思いますわ」
言うや否や知世は編集ルームを出ていってしまいます。
ケロも暗闇の中グロウで明かりを灯し知世を誘導します。
そして編集ルームに一人取り残されるさくら。

光は窓から差し込む月明かりだけ
血のように紅い満月
薄暗い部屋
静寂
青白く光るモニター画面、その中に白い光の玉が浮かび上がります。
その光の玉は震えるさくらの目の前で制止するのですが、さくらは
未だそれに気付いていません。

「見つけた」

と少女の声・・・

★ さくらはいません(・・中略・・サクラ大戦   万歳!万歳!万歳!)

「危険」と書かれたプレートのかかった小さな部屋で知世とケロは
発電機を覗き込んでいます。
「知世、分かるんか?」
「生憎こちらの方は・・・撮影用の機材のことでしたら分かるの
ですが・・・」
「ボディガードの姉ちゃん呼べば何とかなるんやないか?」
「それが、、」
知世の携帯電話は海に落ちたとき使えなくなっていたのでした。
「・・そや、さくらの携帯なら大丈夫やないんか?」
「そうですわね。さくらちゃん、コスチュームに着替えるとき車に
携帯電話置いていかれましたから」

さくらに携帯電話を借りるため編集ルームに戻りますが、そこにさくら
の姿は見当たりません。

「・・・さくらちゃん、いませんね・・」
「さては、わいが目を付けておいたプリンを一人でつまみ食いしとる
んやないやろな」
「まさか、ケロちゃんじゃあるまいし」
「知世・・結構言うようになったな」
「ええ」
「・・ほならトイレに」
「さくらちゃんは美少女ですからおトイレなどには行きませんわ
(きっぱり)」
「・・・・あのなぁ(^^;」
「と言うのは冗談ですけど、あの暗闇の中さくらちゃんが一人で
おトイレに行けるとは思えません」
「それもそやな・・・さくらーーどこにおるんやーーー!!」
「さくらちゃ〜ん!!」
呼びかけても返事は返ってきません。
「まさか外にでたのでしょうか?」

二人(一人と一匹)は急いでキャンピングカーの入り口に
向かいます。
入り口のドアは開いたままなのに、さくらの靴はきちんと揃えて
残されているという不自然な光景に戸惑う二人。

「嫌な予感がします、ケロちゃん手分けして探しましょう!」
「いや、知世一人じゃ危ないかもしれへん、一緒に行こ]

知世は小さく頷くとケロと一緒にさくらを探すためにキャンピング
カーを後にするのでした。

「ケロちゃん、さくらちゃんの気配は?」
しばらく目を閉じて気配を伺うケロ。
「・・・・あっちや、微かやけどあっちからさくらの気配感じる!」
ケロが指差したのは自殺の名所と噂される崖のある方でした。

★ うにゅうにゅぬめぬめびろ〜んびろ〜ん

光の玉に先導されその後をついていくさくら。
さくらの瞳はその光を写していません。

「ほら、こっちだよ」
と少女の声

その声に誘われさくらは崖の先端へと歩を進めるのでした。
そしてさくらが最後の一歩を踏み出そうとした時、少女の
声とは別の声が聞こえてきます。

「さくらさん・・・」
さくらはその声を聞くと最後の一歩を踏み出すことを思い
とどまります。
「お母さん・・・」
と呟いてその場に崩れ落るさくら。
崖の先には撫子の姿があったのです。

「邪魔しないでっ!」
光の玉はそう捨て台詞を残すと闇の中に溶け込むように
消えてしまいました。

程なくして、知世とケロがさくらの元に駆けつけてきます。
「さくらぁっ!」
「さくらちゃん!」
「んん・・」
「さくら、大丈夫か?」
「お母さん?」
「お母はんがどないしたん、さくら?」
「・・・お母さんっ!!」
さくらはきょろきょろと辺りを見回しますが、そこには知世とケロしか
いません。
「お母はんの夢でもみとったんか?」
「・・・夢・・なのかな?」
「しっかりしろ、さくら。こんなとこにお母はんがおるわけないやろ」
「さくらちゃん、どこか痛いところありませんか」
「ありがとう知世ちゃん、どこも痛くないから大丈夫だよ」
さくらは目眩のような不快感を覚えながらも心配をかけまいとそのことは
言いません。
さくらが服についた砂を払って立ち上がろうとした時、砂浜の
方の海水面が青白く光り始めます。
「何?」
やがてその光は一ヶ所に集まり始め、一つの形をなします。
「WAVEが集めた霊に違いあらへん」
「ほええええぇぇぇ・・・!」
盛り上がった水面から10mはありそうな固まりが現れます。
その固まりは無数の人の体が解けてくっついたような異形をなします。
「悪趣味なやっちゃなあ」
「気持ち悪いですわ」
化け物を触手を振り回して暴れ始めます。
「さくら、どないする?」
「ほえええ・・」
「もう、これはカードキャプターのお仕事ではありませんわ。
霊能者の方とかお呼びした方がよろしいのではありませんか?」
「そやけど、あれを作り出した元々の原因は・・」
そこまで言いかけた時、ケロは海岸に人影があることに気付きます。
「何やあいつ?」
化け物が触手がその人影に向かって振り下ろされようとしてます。
「危ない!!」
「よけてっ!」
触手はその人影をかすめ砂浜を叩き付け砂埃を舞い上げます。
「さくらっ!」
「うん」
さくらは意を決し封印解除します。
「闇の力を秘めし鍵よ、真の姿をわれの前に示せ、契約の元
さくらが命じる レリーズ!」
「知世ちゃんは安全なところへ・・・ってあれ?」
「知世ならビデオカメラ取りに行くって走っていったで」
「はうぅ・・」(涙)
「ほな、行こか!」
「うん、フライ!」
さくらとケロは崖から砂浜へと一気に舞い下りるのでした。

★ オラオラオラァ、無駄無駄無駄ァ!

砂浜に降り立つと先程の人影が巫女姿の中学生ぐらいの女の子で
あることが分かります。
「ケロちゃん、あの人のことお願い!」
「分かった!」

化け物と対峙するさくら、
2本の触手が振り回されさくらをかすめます。

一方知世は息を切らせながら既に撮影を始めています。

さくらはジャンプで攻撃をかわすと、ウォーティで化け物の触手を
切り裂きますが、その触手は霊に姿をかえ本体に集まり再び触手を
象ります。
ファイアリィもウィンディも試してみますが、同じ事を繰り返す
だけでダメージを与えることはできません。

「さくらっ、そいつはこの世の未練や怨念で凝り固まった霊気
が実体化してるんや!そいつが使う霊力はさくらの魔力とは
異質なものやから、攻撃魔法は効かん!」

さくらが砂に足を取られよろけたところ、2本の触手がさくらの
身体に絡み付きます。
「さくらちゃんっ!」
知世はさくらを心配しながらも、ビデオは苦悶するさくらを
ズームアップしています。(^^;;
触手はさくらの身体を這いずり回り・・・
(以下自粛、読者の妄想力に期待す)

さくらはジャンプで空高く舞い上がり触手を振りほどきます。
触手の攻撃をジャンプでかわしながら反撃の手だてを考えるさくら。
「そうだ!イレイズで消せるかも」

その時、女の子は微笑んだ。
(なんやこいつ、こんな目におうて笑ろうとるで・・・)
さくらがイレイズのカードを取出して呪文を唱えようとした時
女の子は光の玉に姿を変えさくらの傍に瞬間移動します。

「かの・・・」
“かの者を消し去れ”と唱えるはずの呪文、
突然さくらに頭に別な呪文が流れ込んできます・・・
「カードよりSAKURAの文字を消し去れ イレイズ!」

イレイズのカードからSAKURAの文字が消えると、カードはその姿を
青白い光へと変え光の玉の方へと向かいます。
光の玉は再び女の子に姿を変え、女の子の回りにはイレイズの青い
白い光が取り巻いています。

「ふふふ、イレイズの力返してもらうわ」
「どうして・・・」
(魔力のこもったSAKURAの文字を消すなんて、こいつ霊力だけや
のうて、魔力も持っとる・・・それもさくらより強い力や)
「イレイズを手に入れてどうするつもり?」
「そうねえ、例えばこんな風に」
イレイズの青白い光が知世を消し去ってしまいます。
「知世ちゃん!」
「知世っ!」
そして肉体を失った知世の女の子の元へと引き寄せられていきます。
「あら、綺麗な魂ね」
「知世ちゃん!」
「大丈夫や、さくらっ!イレイズを封印すれば知世は元に戻る!」
「すぐに封印できればの話だけどね。長時間肉体から離れた魂は
その姿で安定してしまう。肉体が蘇ったところで魂は肉体に戻れない」
「許せない・・・」
わなわなと震えるさくら。
「怖いなら逃げてもいいのよ。私はイレイズの力が取り戻せれば
それでいいのだから、うふふ」
「知世ちゃんを、元に戻して!」
ソードで女の子に切り付けるさくら。
刃はその女の子を捕らえているのに、傷一つ負わず女の子は平然
としています。
「無駄や!魔力による攻撃は効かへん言うたやないか!」
「折角私を解き放ってくれたお礼に助けてあげようって言ってる
のに、馬鹿な娘ね」
「私が解き放った?」
「そう、去年の夏、祠の戸を開けてくれたじゃない」
「あの時・・・」
さくらは肝試しで洞窟に入ったとき、祠の戸を開けてイレイズ
を封印したことを思い出します。
「どうする?」
「・・・一番の親友の知世ちゃんを置いて逃げられるわけないっ!」
「親友・・・馬鹿じゃないの?あなた親友なんて本気でいると思って
いるの?人はね、自分だけがかわいいの。誰かの為になんて偽善に
過ぎないわ」
「そんな事ない、知世ちゃんは命懸けで私を助けようとしてくれた
んだから!」
「そや、知世はさくらを助けるために必死やったで!」
「じゃあ助けてみせなさいよ、あなたの親友とやらを」
(攻撃魔法は効かない・・どうすれば・・)
「どないするんや、さくら」
「・・・何とかなるよ、絶対大丈夫だよ!」
さくらはそう自分に言い聞かせます。
そしてその時さくらはケロの言葉を思い出したのです。
(この世の未練や怨念・・・それを断つことができれば・・・)
「そうか!」
さくらがリターンのカードを取出すのを見て驚くケロ
「無理や、さくら今日どれだけ魔力使っとると思うて・・・
いや、出来るかもしれへん・・・」
ケロは紅い満月を見て思い直します。
「さくら、わいも力を貸すで」
「かの者が未練を残し時に我を誘え、リターン!」
リターンは無事に発動しさくらは歪んだ空間に吸い込まれていきます。

★ ルナルナティキティキ

さくらがたどり着いた所は、100年以上前の港町でした。
その町のとある神社に母と娘が住んでいました。
娘の名前は綾乃、生まれながらにして不思議な力を持っていました。
最初は明日の天気を言い当てるぐらいの力だったのですが、
日に日にその力は増し、触らずして物を動かしたり、彼女が
知らないはずの過去の出来事を語ったりすることもありました。
綾乃は母よりその力を人前で使わないようにと言い聞かされて
いました。
しかし友達数人と海沿いの崖で花摘みをしていた時、友達の
一人の唯奈が突風に煽られ崖から落ちそうになったのです。
綾乃はその友達を助けるために力を使ってしまいました。
その噂はたちまち町中に知れ渡り綾乃は魔女として忌み嫌われ
友達も一人二人と彼女の元を去っていってしまいました。
残った友達は唯奈だけ、それでも綾乃は悲しみませんでした。
かけがえのない親友を得ることができたからです。
唯奈も綾乃に助けられたからとか、綾乃が可哀相だからという
同情からではなく純粋に綾乃のことが好きだったのです。
けれども、ある日唯奈が友達にいじめられていることを知りま
した。原因は綾乃と付き合っていることに他なりませんでした。
綾乃は唯奈を思い、わざと唯奈に嫌われるようなことを言って
彼女から離れようとしました。
でも唯奈は綾乃から決して離れようとはしませんでした。
綾乃のことを深く信頼していたから、彼女の言葉が本心から
ではないと分かっていたのです。
そんな唯奈の気持ちに綾乃は折れ、二人は友情を更に深めるの
でした。
月日が流れ綾乃が14才になった頃のこと、綾乃の母親が病に
倒れます。町の医者に連れていっても門前払いで、やがて母親
は息を引き取ります。
そしてそれを境に町中に同じ病で倒れる人が続出します。
病の原因は魔女がこの町にいるからだと実しやかに囁き始め
られ、綾乃は神社にはいられなくなりあの崖の傍にある洞窟に
身を隠すようになりました。
洞窟には時々唯奈が訪ねてきました。その場所は二人が小さい
頃から遊んでいた二人の秘密の場所だったのです。
その頃町では綾乃の行方を探す者達であふれていました。
流行り病をなんとかしようと町長が祈祷師を呼び、その祈祷師は
魔女である綾乃を生け贄として神に捧げれば病は収まるだろうと
占ったからです。
その話を唯奈から聞いた綾乃はこの町を離れることを決意します。
唯奈も綾乃について行くと言って聞かず、二人は翌日の夜、
この町を出る事を約束します。
そして翌日、待ち合わせ場所はこの洞窟、しかし1時間待っても
2時間待っても、唯奈は姿を見せません。
唯奈も流行り病にかかっていたのです。
熱にうなされうわ言で洞窟で綾乃が待っていることをしゃべって
しまうのでした。
そして夜が明けようとしたその時、洞窟に現れたのは綾乃を捕まえ
ようとする町の人たちでした。
綾乃は二人だけの秘密の場所なのにどうしてここが分かったのかと
聞くと、町の人は唯奈にこの場所を聞いたのだと答えます。
綾乃は裏切られたと思いました。
悔しくて涙が止まりませんでした。
綾乃は力を使ってその場からは逃れますが、逃げても逃げても
町の人たちは追いかけてきます。
やがて綾乃は唯奈を助けたあの崖に追いつめられてしまいます。
そして綾乃はたった一人の親友を信じることが出来ず、憎しみを
抱いて崖から身を投げてしまうのでした。

その後、崖から投身自殺をする人が跡を絶たず、町の人は魔女の
たたりだとおそれ洞窟に祠を建て綾乃の供養をしたのです。

★ ギップルちゃんよ永遠なれ

「さくらっ!」
空間が歪みさくらが帰ってきました。
さくらは目にいっぱいの涙をためています。
「可哀相だよ・・」
「ふ・・同情?笑わせないでよ、あなたに私の何が分かるって
言うの?」
「分からないよ、だって可哀相なのはあなたに信じてもらえなかった
唯奈さんの方だから・・」
「唯奈が可哀相?あの女は自分が助かりたいがために私を売った
のよ!何を信じろって言うの」
「唯奈さんがそう言ったの?」
「それ以外に考え様がないじゃない!」
「唯奈さんは洞窟に行かなかったんじゃない、行けなかったん
だよ」
「・・・いったい何が言いたいの?」
さくらは事の一部始終を綾乃に話して聞かせます。
「その話を信じろって言うの?」
「私の話じゃなくて、唯奈さんの心を信じて欲しいんだよ、思い出し
てみて唯奈さんのことを」
「唯奈・・」
綾乃の中で唯奈との楽しかった日々が走馬灯のように蘇ります。

「よっ、はっ、ほっ、さくら、そろそろ、こっち、の方も、
なんとか、」
ケロは化け物の触手の攻撃をずっと引き付けてくれていたようです。
「あ、ケロちゃんいたんだ (^^;」(酷い)

「唯奈ぁぁーー!」
綾乃がそう叫ぶと化け物の中から一つの魂が弾け出て、洞窟の方
へと飛んでいきます。
「唯奈?」
それを追って綾乃も洞窟へと走り出します。
イレイズの青白い光は持ち主を失ってそのまま漂っています。

「さくら、今や!」
さくらはケロの言いたいことを即座に理解し、アローを魂の抜け出した
跡に打ち込みました。
化け物の内側から光の矢が魂を辺りに撒き散らします。
「このまんまやと、また元に戻ってまうで」
「うん、わかってる。かの者たちが幸せだと感じていた日々を映し出せ
イリュージョン!」

未練を断ち切って天に向かうもの、断ち切れずに水の中に戻るもの、
魂は散り散りになって化け物は再生することはできなくなったのです。

そして青白い光に封印の杖を振ります
「汝のあるべき姿に戻れ!クロウカード!」
イレイズがクロウカードに戻るとすぐに、知世の身体が現れ知世の
魂はその中に入っていきます。

「知世ちゃん!」
「うぅん・・・」
知世は気を失っているだけのようです。
さくらとケロはそれを見て安心するのでした。

「で、巫女さん姿のあの姉ちゃんはどないなったんや?」
「あそこ」
さくらの指さす先には洞窟の前で向かい合う綾乃と唯奈の姿がぼんやりと
見えました。

「綾乃ちゃん、約束の場所に行けなくて、ごめんね」
「来てくれたじゃない約束の場所に・・・120年遅刻だけどね、
この貸し高くつくからね」
「うん、綾乃ちゃん何がして欲しい?」
「う〜ん・・・唯奈のこと疑ったこと許して欲しい・・・」
「・・そんなの許すに決まってるよ」

心残りのなくなった二つの魂は天高く昇っていくのでした。

★ スキトキメキトキス

キャンピングカーに戻ると電源は直っていました。電源が落ちたのは
綾乃の仕業だったようです。
二度目のシャワーで軽く汗を流し二人はベッドルームへ向かいます。
さくらはピンク地にくまさんの柄のパジャマに、知世は真っ白なふりひらの
いっぱいついたおネグに着替えベッドに腰掛けてお話をしています。

「あれ?ケロちゃんどこにいったのかな?」
「ケロちゃんでしたら、先ほど冷蔵庫の前で小躍りしてましたけど」
「てっケロちゃんったら、またつまみ食いしてるんだ!!あれほど
迷惑かけちゃ駄目って・・」
「まあいいじゃありませんか、折角のお旅行中ですし」
「知世ちゃん、でも」
「・・・その方が好都合ですし・・(うふ)」
「好都合って?」
「い、いえこちらのお話ですわ、おほほほほ」
「ほぇ?」
「狭いベッドで申し訳ないのですが、そろそろおやすみしませんか?」
「そうだね、お腹がいっぱいになればケロちゃんもそのうち戻って
くるだろうし」
「不束者ですが、宜しくお願い致します」
と三つ指をつく知世。
「こ、こちらこそ・・・」
「優しくして下さいね」
「ほえ?_?」
狭いベッド潜り込む二人。
「知世ちゃん、おやすみ・・・」
「おやすみなさい、さくらちゃん(はぁと)」
さくらは魔力の使いすぎによる疲れからか、速攻で眠りに就いてしまいます。
(すーすー)
さくらの寝息が知世の首筋にかかり、知世はなかなか寝付けません。
(そう言えば、この部屋の映像を暗視カメラに切り替えるのを忘れてい
ましたわ!)
さくらを起さないようにもぞもぞとベッドを抜け出ようとしますが、
身体が密着しているためかうまく抜け出せません。
もぞもぞとしているうちに、さくらの手が知世の大事なところへ、
(あ・・・)

凝固中   凝固中   凝固中・・・・10分経過

(はっ、いけませんわ!さくらちゃんのかわいい寝姿を1秒たりとも撮り
逃せないはずでしたのに、一時の快楽に身を任せてしまうなんて・・)
知世は自己嫌悪を覚えながら、さくらを起さないよう細心の注意を払い
つつに抜け出そうとした時、知世の手がさくらのパジャマの上から2番目
のボタンを外してしまいます。
パジャマの隙間から見えるさくらの片方のむね・・・・
(・・・・・・ま、まぶしすぎますわぁぁぁ・・)
「あぁ、めまいがぁ・・・」
知世はよろけた拍子にさくらのむねに顔を埋めてしまいます。
知世の目の前には先っぽが・・・
(さくら色・・・ぽっ)

凝視中   凝視中   凝視中・・・・20分経過

(はっ、いけませんわ!さくらちゃんのかわいい寝姿を1秒たりとも撮り
逃せないはずでしたのに、眩いばかりの光景に目を奪われるなんて・・)
知世は意を決して三度ベッドから抜け出そうとします。知世が片足をベッド
から引きぬこうとした時、さくらの唇が知世の足の甲に触れてしまいます。
(・・・お〜ほほほほほほ、お〜ほほほ)

妄想中   妄想中   妄想中・・・・30分経過

(はっ、いけませんわ!さくらちゃんのかわいい寝姿を1秒たりとも撮り
逃せないはずでしたのに、あさましい妄想に心を奪われるなんて・・)
知世は込み上げてくる女王様の血を抑えつつ、四度ベッドから抜け出そうと
しますが・・

こうして知世の愛と苦悩の夜は更けていくのでした。

★ メリッサ、メドゥーサ、アラホラサッサ

さくらの頬に小さな窓から朝の光が射し込んできました。
さくらちゃん記録係としての使命も果たせぬまま、一夜を明かしてしまった
知世。
(不本意ですわぁ〜)← 知世魂の叫び
「・・・ん」
(さくらちゃんっ!)
「・・・・ん〜、、、知世ちゃん、おはよ〜、あふ」
さくらは眠そうに小さなあくびを一つして起き上がろうとします。
「ほ、ほえええええぇぇぇ・・・」
さくらは自分があられもない姿(ご想像にお任せします)になっている事に
気付いて驚きます。
(い、いけませんわ、このままではさくらちゃんが寝ているうちに、
私がさくらちゃんの身体に悪戯をしていたんじゃないかと誤解されて
しまいますわ!)
「あ、あ、ベッドから、抜け、抜け、そうっ不可抗力で、」
うろたえる知世。
「知世ちゃん、ごめんね。私寝相が悪いから、眠れなかったんじゃない?」
服装の乱れを正しながらすまなそうに謝るさくら。
「い、いえ、そんな事は、、全然」
(知世ちゃん、目の下クマができてるし、何だか目が充血してるし・・
やっぱり私のせいで眠れなかったんだ)
「ごめんね」
「おはよ〜さん!なんや、さくら今日はいつになく早起きやないか」
突然ふとん中から飛び出してくるケロ。
「今日はいつになくってどういう意味よ?!」
「ケ、ケ、ケロちゃん、いつからそこに?」
「いつからて、昨夜知世がさくらの・」
「おほほほ、い、いやですわケロちゃんったら夢でもみたのでしょう」
“おほほ”の文字をバックに冷静を装いながらも頬をひくつかせ
血走った目の巨大な(ケロにはそう見える)知世に見下ろされ言葉を
失うケロ。
(し、死にとうない・・・)
「ほえ?」

朝食を終え暫くするとボディガードのお姉さんが迎えに来ました。
お姉さんは運転席に、さくらと知世はその隣に乗り込みます。
「名残惜しいですけど、友枝町に向けて、スーパープリティさくらちゃん
ウルトラデリシャス遊星ゴージャスアフターケアライナー3号、発進ですわぁ」
「この車、そういう名前だったんだね (^^;;;」
知世の掛け声と共に走り出すキャンピングカー。

それぞれの想いを乗せて、

空中で固まったままのケロを乗せて、

★ にんにんみらぴょん?

それから数ヶ月後、さくらの部屋
「ねえケロちゃん、ミラーさんのカード何か前と違うような気がするんだけど」
「ふ〜む、何やお腹が大きゅうなっとるような・・・ま、食いすぎとちゃうか」
「そんな、ケロちゃんじゃあるまいし」
「ミラーはさくらの真似しようとして馬鹿食いするから太ったんやないんか」
「さくら馬鹿食いなんかしないもん!」
「い〜や、しとる」
「しない」
「しとるったらしとる」
「しないったらしない」
・・・・・・


おしまい


◆あとがき

実は綾乃がイレイズを欲しがった理由に説得力を持たせるため、
病死した綾乃のお母さんを生かすため亡骸に魂を与え続ける必要が
あったことにしたかったんですが、結局手を抜いてしまいました。
最初に考えた設定では化け物の正体は綾乃のお母さんというつもり
でした。自殺者の怨念で醜悪な姿になってしまったと。
その絡みで中途半端に撫子さんが登場したりしているのです(^^;;

<9lhg09$irc$1@news01bi.so-net.ne.jp>より
>懸案だった、「アニメで描写されなかったクロウカード」のお話を、
>これで全部書き上げることができました。

次はさくらカード編で報われなかったカードさん達のお話ですね (^^)
次回作楽しみにしています。


ほなな〜。